タイトル |
放牧用適草種の選定 |
担当機関 |
東北農業試験場 |
研究期間 |
1986~1988 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1989 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
肥育素牛や育成牛のような高い増体を期待する集約的な放牧用草地での適草種に ついて、家畜生産力と植生の変化を中心に比較を行った (表1)。
- 高い家畜生産力を示したのは、ペレニアルライグラス、トールフェスク、チモシー、
リードカナリーグラス、短草型草種のケンタッキーブルーグラス、レッドトップ などである。オーチャードグラスは牧養力は高いものの増体量は劣った。
- 強い放牧条件のものとでは、オーチャードグラス→ペレニアルライグラス(青森畜試)、
ペレニアルライグラス→ケンタッキーブルーグラス(東北農試)、トールフェスタの 衰退(福島畜試沼尻支場)といった植生の変化が生じた。
- 以上の結果からペレニアルライグラス、チモシー、ケンタッキーブルーグラス等を
主体とする草地が望ましいことが明かとなった。
- 高増体が期待できる草地の種類と特徴、混播割合、適応地域を
表2に示す。
- 技術・情報の適用効果
高い増体を達成するためには集約的な放牧を行うと共にこれに対応した草地を作る 必要がある。そのための適草種が明かとなった。このことにより2シーズン放牧肥育 における肥育素牛の放牧期の日増体量を0.6Kg以上にすることや、放牧育成における 高増体を達成することが可能になった。
- 適用の範囲
東北地方の集約的な放牧草地
- 普及指導上の留意点
本草種の選定に当たっては草量に合わせて家畜頭数を変化させるような集約的な 放牧方法のもとで、試験を行っている。したがって草地は、常に短草状態を維持 している。本技術はこの様な集約的な放牧管理と一体となって適応されることが 必要である。 ペレニアルライグラス草地の適用地域は東北地方の低・中標高が中心である。 高標高寒冷地での冬枯れや雪ぐされ病の危険地帯については未検討である。また、 夏の高温乾燥が長く続く地域では夏枯れに対する注意が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
乾燥
さやいんげん
肉牛
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