成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- 「ユキミモチ」は、中生の良質・良食味の糯品種である。平成3年度より青森県で
奨励品種に採用された。
- 昭和56年に糯の多収、良質化を目標として、「藤もち712」を母、「ふ系糯119号」を
父として、人工交配を行い、その後代より育成したものである。昭和63年より 「ふ系糯150号」の系統名を付し、地方適否を検討してきたもので平成3年で F11代になる。
- 出穂期は、「わせとらもち」よりやや晩く、「サカキモチ」より早く、成熟期は、
「わせとらもち」並みの中世の早に属する。稈長は「わせとらもち」、「サカキモチ」 より短く、穂長は「わせとらもち」より長く、穂数は「わせとらもち」より少なく、 「サカキモチ」並みの短稈・穂重型である。倒伏に強く、「わせとらもち」並みに 多収である。
- 耐冷性は「わせとらもち」より強い中、いもち病抵抗性は、Pi-a, iをもつと推定され、
圃場抵抗性は葉いもちがやや強、穂いもちが中である。白葉枯病抵抗性は 「わせとらもち」並みの中、穂発芽性は「わせとらもち」よりしがたい中である。
- 玄米の粒型は中、粒大は中で、千粒重は「わせとらもち」並みである。白度が高く、
品質、餅の食味は「わせとらもち」に優る。
表1 ユキミモチの特性概要 - 技術・情報の適用効果
青森県の中生地帯で作られている「わせとらもち」は早生、多収の糯品種であるが、 品質、食味に難点がある。また、「サカキモチ」は品質、食味がよいが中生の晩で、 熟期、耐倒伏性に難点があり作付けが少ない。「ユキミモチ」は強稈、多収、良質で 餅の食味がよく、耐冷性は「わせとらもち」より強く、「わせとらもち」、 「サカキモチ」に替えて普及することによって中生地帯の糯米の良質化を図る。
- 適用の範囲
寒冷地の北部平坦地、その他寒冷地の平坦地から山間地、及び関東以西の 山間冷涼地
- 普及指導上の留意点
- 強稈であるが、品質・食味を低下させないため、多肥栽培は避ける。
- 穂いもち抵抗性が中なので基準防除を徹底する。
- 耐冷性が中なので低温時の深水管理を徹底する。
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