タイトル |
良質多収・中生水稲新品種「あきた39(サンキュー)」 |
担当機関 |
秋田県農業試験場 |
研究期間 |
1978~1987 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1990 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- 水稲「あきた39」は、中生、良質、良食味、多収の粳品種である。
平成3年度より奨励品種に採用された。
- 昭和53年に中晩生の良質、多収、良食味を目標として「北陸110号」を母、
「トヨニシキ」を父として人工交配し、昭和59年F8より「秋田39号」 の系統名を付し、県内現地試験に供試して検討を重ねてきた。平成2年4月「あきた39」 の品種名で種苗登録がなされた。平成3年でF15になる。
- 出穂期は「キヨニシキ」程度であるが成熟期は「トヨニシキ」に近く、育成地では
中生種に属する。
- 「トヨニシキ」に比べ稈長は短く、穂長は長い、穂数は並のやや短稈偏穂重型で、
耐倒伏性は「トヨニシキ」より強い。「トヨニシキ」より多収で食味も勝る。
- 耐冷性は「トヨニシキ」よりやや弱い。いもち病抵抗性遺伝子型はpi-aと推定され、
圃場抵抗性は、葉いもち、穂いもちともやや強だが「トヨニシキ」よりはやや弱い。 白葉枯病抵抗性はやや弱、穂発芽性は中程度である。 「あきた39」の特性概要
- 技術・情報の適用効果
「トヨニシキ」は昭和44年採用以降秋田県内平坦部の良質、安定多収、中晩生品種 として貢献してきたが、「あきたこまち」の普及とともに近年作付けの減少が著しい。
「あきた39」は「トヨニシキ」の食味特性と収量性を改善した品種として、今後の 適正な品種配置のバランスや低コスト化に対応して「トヨニシキ」「キヨニシキ」 の一部に替えて、中生種の作付拡大を図ることが期待出来る。また、酒造用かけ米 として需要が見込まれる。田畑輪換の畑作跡の初作用水稲品種としても適すること 等から、秋田県産米の良質安定生産に寄与できる。
- 適用の範囲
能代市以南の沿岸平坦部及び県南内陸平坦部が主な適応地域と見られる。
- 普及指導上の留意点
- 基本的には「トヨニシキ」に準じた栽培法とする。
- 葉色は「トヨニシキ」より淡く経過するので追肥に注意する。
- 幼穂形成期から穂孕期の低温には十分注意し、不稔の発生と出穂遅延等による登熟への
影響を少なくする。
- 強稈で多肥に耐えるが、後期の追肥では玄米蛋白含量が増したり、登熟歩合の低下が
みられるので、主食用、酒造用かけ米等の用途を考慮し、単に多収を狙った過剰な 追肥は避ける。
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図表1 |
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カテゴリ |
いもち病
新品種
水稲
多収良食味
抵抗性
抵抗性遺伝子
低コスト
品種
良食味
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