タイトル |
酒造用掛米好適水稲新品種候補系統「山形22号」 |
担当機関 |
山形県立農業試験場 |
研究期間 |
1977~1990 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1990 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- ア. 来歴
「山形22号」は昭和52年に山形県立農業試験場尾花沢試験地において「奥羽301号」を 母とし、「び系94号」を父として人工交配したものから育成した。 昭和54年のF4世代より系統扱いとし、以降系統選抜を行ってきた。 昭和56年のF6、同57年のF7世代では「56-24」と「67-75」の 系統群番号で生産力検定試験を育成地と現地において行うとおもに各種の特性検定試験 を行った。その結果有望と認められたので、昭和58年F8世代より 「山形22号」の系統名を付して、県内奨励品種決定調査及び現地試験等において 地域適否の検討を行ってきたものである。 なお、奨励品種決定調査は昭和60年まで、系統選抜は昭和63年まで行い、以降固定系統 として採種してきた。
- イ. 主要特性の概要
「キヨニシキ」並の熟期で、強稈多収系統である。玄米形質が酒造用掛米としての 適応性が高く、肥沃地での低コスト安定生産が可能である。
- 技術・情報の適用効果
山形県で酒造用掛米に用いられている主要品種は「キヨニシキ」「ササニシキ」 「はなひかり」等であるが、これら品種は酒造適性を十分備えているとは言えない。 しかし、「山形22号」は酒造用掛米特性を具備していることから良質な製成酒の製造に 結びつくことが期待される。また強稈で栽培しやすく、多収性を備えていることから 他用途利用米品種としての適性もあわせ持つ。 1. 「山形22号」の特性一覧表 2. 酒造適性米に関する理化学的分析値 - 適用の範囲
山形県内中山間から平坦部地帯
- 普及指導上の留意点
- 収量が750kg/10a以上になると、被害粒の増加等により品質が劣化するようになるので
酒造用掛米として生産する場合の基本的な栽培法は「キヨニシキ」と同様とするが、 穂数は取りにくいので、健苗の適期植え、保温的な水管理によって早期に茎数を 確保する。
- いもち病の抵抗性遺伝子はPi-kを持つので罹病の動向に十分注意するとともに、
ほ場抵抗性は中程度と考えられるので計画防除に努める。耐冷性は栽培適応地帯を 考慮し、低温時には深水灌漑等で対応し障害不稔の発生に備える。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
いもち病
新品種
水稲
多収性
中山間地域
抵抗性
抵抗性遺伝子
低コスト
品種
防除
水管理
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