タイトル |
良食味、良質水稲新品種候補系統「山形35号」 |
担当機関 |
山形県立農業試験場 |
研究期間 |
1981~1990 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1990 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- 来歴
「山形35号」は、昭和56年に山形県立農業試験場庄内支場において、「中部42号」 を母とし、「庄内29号」を父として人工交配したものから育成した。 昭和58年F2集団から個体選抜を行い、以降昭和59年のF3系統 より系統選抜を行ってきた。昭和60年F4世代より「庄216」の系統群番号 で生産力検定試験を育成地と現地において行うとともに各種の特性検定試験を行った。 その結果有望と認められたので、昭和62年F6世代より「山形35号」の 系統名を付して、県内奨励品種決定調査及び現地試験等において地域適否の検討を 行ってきたものである。 なお、世代は平成3年度でF10世代である。
- 主要特性の概要
出穂期は「キヨニシキ」並か1日遅く、稈長も「キヨニシキ」並である。穂数はやや 多いが稈質の強い倒伏しにくい品種である。玄米品質は極良質でしかも食味は 「ササニシキ」並か以上の優れた特性を備えた中生の良食味品種である。 収量性は「ササニシキ」、「キヨニシキ」並であり、多収性も期待できる。
「山形35号」の特性一覧表 - 技術・情報の適用効果
山形県では早生品種として「はなひかり」、中生の晩品種として「はなゆたか」を 奨励品種として普及してきたが、「山形35号」は中生で冷害抵抗性が中程度で、 品質も安定して優れ、しかも食味が「ササニシキ」並以上の特性をもつ良質良食味品種 であることから、「はなひかり」、「はなゆたか」にかわって良食味志向の動向に あった品種として期待できる。また「はなの舞」や「ササニシキ」「山形45号」との 組合せ品種として普及奨励することのメリットが大きい。
- 適用の範囲
山形県内中山間から平坦部地帯
- 普及指導上の留意点
いもち病真性抵抗性遺伝子型としてPi-a,iをもつが、ほ場抵抗性は強くないので いもち病の早期発見、早期防除に努める。 「山形35号」の良質、良食味を生かした栽培に留意するとともに適正生育量を確保する
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図表1 |
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カテゴリ |
病害虫
いもち病
新品種
水稲
多収性
中山間地域
抵抗性
抵抗性遺伝子
凍害
品種
防除
良食味
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