タイトル |
柱頭観察による水稲冷害不受精の早期判定法 |
担当機関 |
青森県農業試験場 |
研究期間 |
1988~1989 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1990 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- 開花終了後1~2日以上経過した穂について、頴花を手で開頴しピンセットで柱頭を
傷つけないように取り出し、40倍程度の顕微鏡または虫めがね等で柱頭の状態を 観察する。
- 柱頭の基部付近が萎凋したり、折れたりしている場合は受精籾と判定する。
- 柱頭の部分に殆ど変化が見られない場合は、不受精籾と判定する。
- 子房がある程度肥大している場合でも、柱頭が萎凋していない場合は不受精籾
(単為結果籾、偽稔)と判定する。
- この判定方法に習熟すると、子房を抽出しなくても開頴後虫めがねで観察するだけで
判定ができるようになる。
- 判定の根拠: 不受精籾が殆ど発生しない条件下で生育させた穂について、開花終了後
経時的に柱頭を観察したところ、開花翌日には柱頭の基部付近が萎凋したり、折れたり しているのが観察された。一方、完全不受精を発生させるほどの強度の低温処理した 穂について、同様に柱頭を観察したところ、開花後数日たっても柱頭は変化せず、 この状態は長期間続いたことから、開花後の柱頭の状態を観察することにより受精の 有無が早期に発見できることが明らかになった。
図1 受精及び不受精籾の柱頭 - 技術・情報の適用効果
障害不受精の早期判定が可能となることから、被害の早期把握と冷害対策 (技術、農政、経営等)のすみやかな対応ができる。
- 適用の範囲
- 穂ばらみ期、開花期のいずれの障害不受精に対しても有効である。
- 単為結果籾(偽稔籾)の判定も可能である。
- 普及指導上の留意点
- 開花終了当日が異常低温等で開花が不順であった場合は、開花翌日ではなく更に
1日おいて調査する。
- 適温下で開花した場合でも、翌日の早朝ではなく、午後に調査する。
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図表1 |
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カテゴリ |
経営管理
水稲
単為結果
凍害
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