タイトル |
農業試験用(育種・栽培)データ解析システム(ASAS)の構築 |
担当機関 |
東北農業試験場 |
研究期間 |
1989~1990 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1990 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- 本システムは育種・栽培試験等で行われているルーチンワークのシステム化を
目指して、パソコンPC-98のN88-日本語BASIC(86)上で作成したものである。
- 本システムはデータ集計プログラム、統計解析プログラム、実験計画プログラム及び
気象データ集計プログラムよりなる総合的データ解析システムである。
- 本システムのファイルは一般統計データファイル、実験計画用データファイル及び
気象データファイルの3部よりなり、それぞれのファイルの作成及び管理等は、 別途作成したマニュアルによって容易に実施できる。
- 主な特徴
- ファイル管理、実験計画の策定、データ集計・解析からラベル、野帳、調査用紙の作成
まで、すべて平易な日本語による会話型となっているので、初心者にも容易に操作 できる。
- これまで手作業に頼ってきた圃場用および子実保管袋用等のラベル作成、調査用紙の
作成等は同一ファイルから用途に応じたフォームによって印刷作成できる。
- データの追加、訂正、並べ換え、削除、変換、抽出、検索、ソート、平均等の
データ処理機能、ファイルの合成、削除、ソート等のファイル処理機能があり、 これらを使って各種試験のデータ管理、取りまとめが容易に行える。また、 2元データ、3元データファイルを使って奨励品種決定試験、連絡試験等のデータ管理が できる。
- 育種試験における選抜、系統の番号作成等は散布図による検索、データ変換機能が
サポートし、育成系統の情報も検索機能を使って随時取り出し可能である。
- B5,A4,B4の用紙に合わせた表印刷が可能である。また、ファイル変換ソフト
"FILECONV.EXE"によりMS-DOS上のテキストファイルに変換後、市販のワープロソフトで 利用できる。
- データ解析は作図による視覚的解析、分散解析(乱塊法、乱塊分割区法、分割区法、
要因実験)、多変量解析(重回帰解析、主成分分析、判別分析、クラスター分析)が 可能である。
- 気象観測データの集計、平年値の計算、月表の作成、任意の期間の積算、
平均値の算出、作図が可能である。
データ入力、解析手順フローチャート - 技術・情報の適用効果
農業試験研究のデータ管理が容易かつ効率化され、研究の推進が図られる。
- 適用の範囲
東北の農業試験研究機関
- 普及指導上の留意点
- 本システムは希望者にフロッピー(5枚)の実費で配布可能です。なお、プログラム規模が
4メガを超えるので、ハードディスクでの使用が望ましい。
- 実験計画法及び多変量解析は共立出版「パソコン統計ハンドブック」を参考に
作成されているので、ユーザーはその部分を別途調達して使用すること。
[具体的データ]
- ASASファイルの構成
ASASで扱えるデータファイルとデータの種類は以下のとおりである。
- データファイルの種類
(1) 一般統計データファイル a. 一元データ: 列(m列)×行(n行) b. 二元データ(一部実施を含む): 行が2元データ(例: 場所×品種) c. 三元データ(一部実施を含む): 行が3元データ(例: 年次×場所×品種) (一部実施とは場所毎に供試品種数が異なる場合をいう) (2) 実験計画データファイル a. オリジナルランダムデータ(ランダム配置されたデータ) b. 編成データ(処理順に編成されたデータ) (3) 気象データファイル 最小測定間隔: 分、時、日、半旬、旬、月、年 a. 測定年次連続データ b. 年次個別データ
- データの種類
数値(単精度)、月日、時間、語句、文字列
- ファイルの大きさ
列数(形質数、気象要素等) 64以下 行数(データ数) 64000/(4×(列数+1))
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図表1 |
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カテゴリ |
育種
データ管理
品種
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