タイトル |
黒ボク土から分離したVA菌根菌 |
担当機関 |
東北農業試験場 |
研究期間 |
1988~1990 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1990 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- 畑作物の根に共生しているVA菌根菌は、土壌中の希薄なりん酸などを効率よく吸収し、
作物へ供給する機能がある。本菌を有効に活用することができれば、りん酸等の 資源の効率的利用が可能になると期待されている。しかしながら、わが国では 系統だった菌株の収集は行なわれておらず、このことが有用菌株の選抜等VA菌根菌の 利活用を進めていく上で障害となっていた。そこで、りん酸肥沃度の低い黒ボク土から VA菌根菌菌株の収集を行なった。
- 各地の黒ボク土壌より16種類のVA菌根菌胞子を分離し、その形態的特徴から10種を
同定することができた。VA菌根菌は宿主との共生条件下でしか増殖しないため、 各種作物を宿主として菌の増殖を図り、11種の増殖に成功した (表1)。
- VA菌根菌は宿主特異性を欠いていると言われているが、作付されている作物の違いに
よって分離される菌の種類に違いが認められ、圃場条件下での宿主特異性が 認められた(表2)。また、菌の種類によって作物に 対する生育増進効果に違いが認められた(図1)。
- 技術・情報の適用効果
増殖に成功したVA菌根菌菌株は、今後VA菌根に関する各種の試験研究に 供試することができる。
- 適用の範囲
全国
- 普及指導上の留意点
VA菌根菌菌株の長期保存法は確立されていない。菌株保存のためには、菌を植物へ 感染させることによって増殖を図らなければならない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
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