タイトル |
ニンニクに発生したチューリップサビダニについて |
担当機関 |
青森県農業試験場 |
研究期間 |
1990~1990 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1990 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- 被害の様相
- りん片貯蔵葉表面の寄生部位には光沢がなく、黄色~黄褐色に変色している。明らかな
被害症状の見られる部位を検鏡すると、本種が多数寄生しているのが確認できる。 また、全ての発育ステージが観察される。
- 本種は保護葉が密着していないりん片の平坦部に好んで寄生するが、寄生数が多い
場合には貯蔵葉の全体が本種に覆われ、褐変するとともにニンニクからの滲出液に 由来すると思われる針状の結晶がりん片上にみられる。
- 外見上被害症状が見られない場合でも、りん片の発根部付近や出芽溝周辺に寄生が
認められることがある。
- りん片から伸長する葉にも被害がみられ、被害部分はブルームがなく光沢があり、
全体としてモザイク状となる。寄生が多い場合はにはねじれた奇形葉となる。奇形葉の 表面には本種の寄生が多数認められ、肉眼的には粉状にみえる。被害が著しい場合には その部位から枯死することもある(表1)。
- 本種によるニンニクの被害葉がモザイク病類似症状を呈することは既にインドや
アメリカで知られていたが、日本でニンニクから本種が発見されたのは初めてである。
- 同定
本種は1990年11月16日、千葉県農業試験場 病害虫研究室 上遠野富士夫研究員により チューリップサビダニ(Eriophyes tulipae Keifer)と同定された。
- 発生実態
今のところ発生実態は不明であるが、西津軽郡森田村、南津軽郡常磐村、黒石市、 三沢市、十和田市、上北郡六戸町、同郡七戸町、三戸郡五戸町、同郡田子町、 同郡新郷村、同郡倉石村のニンニクから本種とその被害が確認された。
- 技術・情報の適用効果
本種の発生と被害の特徴が明らかになり、発生実態の把握が容易となる。
- 適用の範囲
青森県内全域のニンニク産地
- 普及指導上の留意点
なし
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
害虫
チューリップ
にんにく
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