イネ紋枯病の発生時期・程度・薬剤散布が収量に及ぼす影響

• 担当機関: 青森県農業試験場
• 研究期間: 1988～1990
• 発行年度: 1990

成果の内容・特徴

1. 技術・情報の内容及び特徴
   
   1. 発病程度と精玄米重
      紋枯病の被害(減収量)は発生時期によって異なり、出穂後の病斑高率
      (最上位病斑高/草丈×100)の曲線下面積(病斑高率の積算値)が大きくなるほど
      精玄米重は軽くなる(図1)。
      
   2. 薬剤散布時の発生程度と成熟期の発病程度および精玄米重
      品種むつほまれ、防除剤ジクロメジン粉剤DLを供試して紋枯病発病推移と収量に対する
      影響を検討した。
      
      1. 発生の認められている株に薬剤散布した場合、無散布株に比べ病斑高率は低く推移し、
         病斑高率の曲線下面積は少なく、精玄米重は重くなった
         (図2)。
         
      2. 発生の認められていない場合であっても、薬剤散布した株は無散布株に比較して
         散布後の病斑高率は低く推移し、病斑高率の曲線下面積は少なく、精玄米重は
         重くなった。
         
   3. 薬剤散布と増収量
      薬剤散布が精玄米重に及ぼす影響は、薬剤散布時の紋枯病発生の有無にかかわらず、
      増収が認められた。
      無散布区の精玄米重に対する薬剤散布区の精玄米重について穂数別に増収量を求めた
      ところ、株当り平均約6gの増収となった(表1)。
      
2. 技術・情報の適用効果
   紋枯病の被害量を解析することによって、より精度の高い被害予測式作成が
   可能となる。
   
3. 適用の範囲
   県内全域
   
4. 普及指導上の留意点
   なし
   

• カテゴリ: 病害虫 品種 防除 薬剤