タイトル |
トロポロン利用による籾からの苗立枯細菌病菌の検出 |
担当機関 |
山形県立農業試験場 |
研究期間 |
1989~1990 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1990 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
本菌は拮抗物質のトロポロンを産生することが明らかとなっているがこの性質を利用 しての種籾からの菌の敏速検出法を案出した。
- 最適培地はpH6.8 Ayersらの液体培地である。
- 上記の液体培地に20ppmトロポロンを加え、30度C、48hr、種籾を振盪培養すると、
P.plantariiは優占的に増殖できるので培地中のトロポロンの増加量を指標として 保菌籾が効率的に診断できる。その根拠は次のとおりである。 トロポロン添加培地下におけるP.plantarii以外の菌の生育について検討した結果、 種籾振盪液から、5ppmトロポロン添加PPGA培地に画線して得られた16菌株中3菌株は 12ppmトロポロン添加YP培地でも生育したが、10ppm添加Ayersらの培地では1菌株のみ 成育し、その一菌株も20ppmで生育が著しく遅れ48時間後に生育が確認された。 また、近緑のP.glumae, P.gladioliは、ともに、20ppmで生育は見られなかった。一方 P.plantariiはいずれの培地でも生育良好だった。 これらのことから、種籾からP.plantariiを選択的に増殖させ、さらに培地中に 産生したトロポロンの増加を400~300nmの波長スキャンで確認することにより保菌の 有無を診断できる。
表1 各苗に対するトロポロンのMIC値 表2 各種診断法による保菌種子検出率と診断日数 図1 トロポロン添加Ayersらの培地における菌の生育 - 技術・情報の適用効果
- 本法と育苗法による保菌籾検出能は同程度であるが、25ppmトロポロン添加PPGA平板培地
での検出能は劣る。また診断に要する日数は平板法4日であるのに対し、本法が2日 であり、最も迅速である。
- 使用する種子の保菌の有無を事前に調査することにより防除要否の判断等の参考とする
ことができる。
- 適用の範囲
全国の試験研究機関
- 普及指導上の留意点
種子対策や被害の未然防止上組織的対応が望まれる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
育苗
防除
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