タイトル |
コンニャクに発生するサトイモモザイクウイルス(DMV)の1系統 |
担当機関 |
東北農業試験場 |
研究期間 |
1986~1990 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1990 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- コンニャクのモザイク病葉粗汁液をChenopodium amaranticolorに接種し
形成された局部病斑から、新たな病原ウイルス系統(長さ750nmのひも状粒子)を 分離した。
- 本ウイルスは、8種の植物に全身感染、12種に局部感染し、アブラムシで非永続伝搬
され、コンニャクにおいて種球伝染する。また、本ウイルスに対して作製した 抗血清はDMVとも反応したが、外被蛋白の電気泳動度は相互に異なった。 以上の結果から、本ウイルスはDMVの1系統と考えられる (表1)。
- 本ウイルスをウイルスフリーコンニャク幼苗に汁液接種した結果、いずれの株も
脈間の退緑等の病徴が現われ、生育・収量が減少する (表2)。
- 本抗血清は512倍の力価を示し、本抗血清を用いて福島県下のコンニャクを調べた
結果、ほぼ全株から本ウイルスが検出される。
- 技術・情報の適用効果
本ウイルスの検定植物を多数発見したことにより、化学的・物理的手法により作出 された弱毒株を検出できる。また、血清学的診断手法によるウイルスフリーコンニャク 種苗の検定・生産が可能である。
- 適用の範囲
コンニャク種苗生産地及び栽培地
- 普及指導上の留意点
コンニャクに発生するウイルスとして、DMV、キュウリモザイクウイルス、 コンニャクモザイクウイルスが報告されているが、病徴観察による本ウイルスとの 識別は困難であり、血清学的手法による診断が不可欠である。また、本ウイルスと DMV等とのウイルス学的関係及び分布についてはさらに検討が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
きゅうり
こんにゃく
栽培技術
診断技術
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