タイトル |
レーザー圃場均平機による乾田均平作業法 |
担当機関 |
東北農業試験場 |
研究期間 |
1988~1990 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1990 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- 他の光に比べて直進性があり光束を遠方までとどける特長を持つレーザー光を応用し、
回転放射させたレーザー光の水平面を基準にして圃場の自動均平化を行う技術である。
- 均平機のブレード上の受光センサは、圃場の一隅に固定した発光機からの基準水平面
との「ズレ」が±0.6cm以上あると、トラクタの電子式油圧制御によって油圧シリンダ を介して、自動的に均平機を一定の高さにコントロールし、均平化を効率よく高精度に 行うものである(図1)。
- 開発したレーザー圃場均平機は作業幅3.2m、運土容量1立方メートルで、70PS級
トラクタでけん引し、作業速度0.8~2.0m/secで作業を行う。
- 技術・情報の適用効果
- レーザー圃場均平機による均平作業は、1ha圃場で標準偏差1cmまで均平化され、
作業能率は10ha当り0.8時間である(表1)。
- 田面の均平度は移植栽培で±3.5cm、直播栽培で±2.5cmが必要であるが既存の作業法
では困難な高精度の均平作業が可能になる。
- 特に水稲直播においては出芽苗立が安定・向上し、除草剤の効果も高まり生育が
均一化するとともに、管理作業が容易になる。
- レーザー発光面は0~10度の範囲で傾斜させることが可能で、圃場面を排水路方向に
1/1000傾斜させた均平作業では大区画圃場における降雨時の表面排水性が改善される (図2)。
- 適用の範囲
レーザー発光機の有効範囲は半径100~400mなので、この範囲内の乾田状態における 大区画圃場。
- 普及指導上の留意点
- 均平作業前に圃場の高低をレベル測量し、平均標高を求めておくと同時に、はじめに
高低差10cm以上の大きいところは、本機を手動操作で荒均平作業をしておくと効率的な 作業が出来る。
- 一般にはレベル測量を人手で行うようになっているが、本機を事前に走行させて
田面高低を記録する自動測量のシステムもある。
- 麦稈等の残渣物の多い場合や未耕地では予め耕うん処理が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
直播栽培
除草剤
水稲
排水性
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