作物の種類および土壌環境要因とキタネグサレセンチュウの増殖

タイトル 作物の種類および土壌環境要因とキタネグサレセンチュウの増殖
担当機関 岩手県立農業試験場
研究期間 1987~1990
研究担当者
発行年度 1990
成果の内容・特徴
1.技術・情報の内容及び特徴
土地利用型作物を中心に栽培後のキタネグサレセンチュウ(Pratylenchus penetrans)の増殖程度を明らかにするとともに、増殖に及ぼす土壌環境要因
(水分、地温)の影響を明らかにした。
  1. キタネグサレセンチュウ(以下線虫)の増殖程度は作物によって異なる。また、作物それぞれに増殖の上限密度のあることが推定される(図1)。上限密度によって分類すると次のようになる。
    1. しゅんぎく、にんじん、レタス、ばれいしょ→700頭以上
    2. スイートコーン、キャベツ、はくさい、カリフラワー→300~500頭程度
    3. ブロッコリー、だいこん、スーダン型ソルガム→100~200頭程度
    4. ギニアグラス、きび→20~30頭程度(減少)
    (注:頭数は生土30g供試ベールマン法による分離虫数)
  2. だいこんは、線虫の増殖程度は大きくないが、被害は発現しやすい。また、品種、作期により被害程度に差がある(図2)。
  3. 線虫の増殖に好適な土壌環境条件は、厚層多腐植質黒ボク土(大津統)では、pF1.8~2.2程度の高水分、地温20度前後である(表1、2)。
2.技術・情報の適用効果
野菜類における線虫被害回避対策の参考となる。
3.適用の範囲
黒ボク土の野菜作地帯
4.普及指導上の留意点
  1. 作物による増殖程度は、品種によって異なることも考えられるので、留意する。
  2. 春のだいこん栽培におけるマルチの使用は、線虫被害を助長するので、防除対策を徹底する。
  3. 土壌水分を低下させる対策として、畦立て(20cm以上)栽培も有効である。
図表1 233422-1.gif
図表2 233422-2.gif
図表3 233422-3.gif
図表4 233422-4.gif
カテゴリ 病害虫 カリフラワー きび キャベツ しゅんぎく ソルガム だいこん 土壌環境 にんじん はくさい ばれいしょ 品種 ブロッコリー 防除 レタス

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