成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
低コスト生産技術開発の一環として、簡易なビニールハウスで肉用牛を使用する方法を 確立するため、舎内の環境条件及び収容牛の生産性に及ぼす影響を検討し、 ハウス牛舎の効率的な活用法を明らかにした (図1)。
- ハウス牛舎内で飼養した肥育牛の増体は良好で、既存牛舎に遜色ない発育を示した。
また、収容牛の体温及び血液成分にも異常は認められず、糞便中の内部寄生虫卵も 検出されなかった。
- 夏期のハウス牛舎内の温度上昇を抑制するためには、被覆資材としてアルミ箔塗布
シートを用いるのが最も効果的であった(図5)。
- ハウス牛舎における舎内温度及び湿度は、既存牛舎と比較すると日較差が大きい傾向
にあった(図2、 3)。
- ハウス牛舎内のアンモニア濃度は、サイドビニール開放期には問題ないが、冬期間の
ハウス密封期には敷料交換後の日数経過に伴ない上昇傾向となるため、定期的な 換気が必要である(図4)。
- 管内におけるハウス牛舎の建設費用(床面のコンクリート処理費用を除く)は3.3
平方メートル当り12,500~18,701円、平均15,294円(昭和63年福島県単価)であった。
- 技術・情報の適用効果
- 従来の畜舎に比べて、建設費用が安価で手軽に設置可能。
- 畜舎の増築が簡単に行なわれ、規模拡大時に活用できる。
- 利用面を考慮して自由に設置場所を選べる。
- 適用の範囲
東北地域の肉牛繁殖、肥育農家及び乳牛育成農家
- 普及指導上の留意点
- 換気効率を高めるため換気窓・天窓の設置が必要。
- 舎内環境を良好に保つため換気の励行が必要。
- 夏期の高温時には飲水量が増加するので十分な飲水料を確保する必要がある。
- 積雪地域では側面に堆積した雪を除雪する必要がある。
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