タイトル |
多湿乾草の添加剤による良質・安定調製技術 |
担当機関 |
福島県畜産試験場 |
研究期間 |
1988~1991 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1990 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
貯蔵中の多湿乾草(1番草、水分30%)における品質保持のために、2種類の添加剤 (プロピオン酸アンモニウム、尿素)を現物に対して各々3%(P区)、2%(N区)添加し、 特にプロピオン酸アンモニウムの効果が確認された。
- 貯蔵中の温度
水分18%の乾草(1番草)では室温とあまり変わらない温度推移をしたが、水分30%の 乾草についてはP区が早期に温度上昇するともに短期間(約5日間)でしかも室温と 比べて低めの温度推移であったの対して、無処理区(C区)及びN区ではP区より遅い 時期で温度上昇するともに長期間(約15日間)でしかも室温と比べて高めの温度推移 であった(図1)。
- カビの発生状況
水分18%・水分30%の乾草ともにC,N区の上層部で明確に見られたが、P区については 全面全層ともカビ及びカビ臭が認められなかった (表1)。
- 成分含量の変化
水分18%乾草ではいずれの処理区間にも有意な差が見られなかった。しかし、水分 30%乾草については、CPがN区で他区より有意に高かった(P< 0.01)が、ADF・ 乾物分解率ではP区が他区より有意な差(P< 0.01)があり、プロピオン酸アンモニウム 添加によって水分30%乾草の品質の劣化を低く抑えたことが確認された (表2)。
- 技術・情報の適用効果
冷湿条件下で多湿(30%前後)の乾燥調製を強いられる時に、貯蔵2ヵ月くらい経過した 場合でも、添加剤として特にプロピオン酸アンモニウムを施用することで乾草の品質の 劣化を抑制する効果が期待できる。
- 適用の範囲
低温・高湿度時の気象条件下で乾草の水分は30%前後を対象とする。
- 普及指導上の留意点
- 添加剤はプロピオン酸アンモニウムを使用し、添加量は現物に対して3%とする。
- 実際の調製作業時に適量添加する作業法の検討が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
乾燥
品質保持
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