成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- ヒトや家畜に飛来する双翅目害虫類の調査には、捕虫網によるすくい取りと
CO2トラップ法が一般に用いられる。しかしこれらの方法では、調査者 であるヒトの影響を除くことができず、また、寄主動物に対する加害生態等を詳しく 調査することができない。そこで、寄主動物自体を誘引源にしたトラップ (アニマルトラップと称する)を開発したところ、本トラップは、双翅目害虫類の調査に 効率的に活用できることを、従来の方法との比較試験等で確認した (表1)。
- トラップの構造は図1のようで、牛用、鶏用とも
外観かまぼこ型、両端にドアを設け、牛用では育成牛1頭を保定枠に入れて収容、長さ 270cm、幅180cm、側面の高さ140cm、運搬時に中央で2個に分離でき、また、鶏用では 成鶏4羽を飼育ケージに入れて収容、長さ120cm、幅110cm、側面の高さ70cmとした。 害虫類の侵入口であるスリットは幅10cm、断面がロート状で、トラップ両側に牛用では 3段、鶏用では1段設けた。トラップ骨組みには亜鉛メッキ鉄パイプ(外径19mm)を 使用し、スリットを除く全面を黒色のテトロン製ゴースで被った。トラップ内に捕獲 された害虫類の回収には、改良した小型電気掃除機と捕虫網を用いた (写真1)。
- 技術・情報の適用効果
- 今回開発されたトラップは、双翅目害虫類の寄主動物に対する加害生態や吸血嗜好性の
調査、薬剤の効果試験等に効率的に活用できる。
- 誘引源にCO2等を用いることで、カ、ブユ類など小型吸血昆虫類の効率的な
捕獲用トラップとしても使用できる。
- 適用の範囲
地域、地帯を問わない。
- 普及指導上の留意点
- アブ類の捕獲には、トラップの色や侵入口となるスリット幅について検討が必要
である。
- 施設園芸用資材を使用することで、制作費を安くできる。
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