タイトル |
原蚕全齢人工飼料育による微粒子病フリー種繭の生産実証 |
担当機関 |
福島県蚕業試験場 |
研究期間 |
1990~1990 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1990 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
原蚕全齢人工飼料育の実用化促進を図るため、品種別、飼料別の適合性・次代蚕の 無毒性の検定ならびに生産コスト等を究明するための経費試算を行った。 4齢起蚕基本蚕数5,000頭により、春蚕期は錦秋、鐘和、芙蓉および東海を、晩秋蚕期は 春嶺、鐘月、朝日および東海を供試した。人工飼料は日本農産工飼料(錦秋、鐘和、 春嶺、鐘月)とヤクルト飼料(芙蓉、朝日、東海)を用いた。
春蚕期
- 各品種とも1~3齢及び4齢~結繭の減蚕歩合が低く、4齢起蚕時の揃いもほぼ良好であった。
- 総じて計量形質は重く健蛹歩合が高く、飼育成績は良好であったが、「鐘和」は下繭が
やや多く普通繭歩合が低下した。
- 発蛾、交尾歩合は良好であったが、不受精卵蛾の発生により正常卵蛾歩合はやや低かった。
- 「鐘和」の即時浸酸は短時間浸酸(3分)の場合は孵化率が低かったが、5分、7分浸酸では
いずれの品種も高孵化率を示した。
- 冷蔵浸酸はいずれの品種、浸酸時間でも高孵化率を示した。
- 微粒子病汚染は皆無であった。
晩秋蚕期
- 「鐘月」は毛振率がやや不良のため1~3齢減蚕歩合が高かった。
- 4齢起蚕時の揃い、普通繭歩合および種繭歩合は良好で、いずれの品種も繭重はやや
軽かったが健蛹歩合は高く、春蚕期同様総じて飼育成績は良好であった。
- 発蛾、交尾歩合は良好であったが、「春嶺」は正常卵蛾歩合が70%以下であった。
- 微粒子病汚染は皆無であった。
表1 飼育成績 表2 計量形質および産卵成績 表3 人工孵化成績 - 技術・情報の適用効果
原蚕の全齢人工飼料育における成育、採種および蚕種の保護取扱いが総じて良好な 成績が得られ、さらに微粒子病汚染が皆無であったことから、原蚕全齢人工飼料育に よる蚕種生産の実用性が見出された。
- 適用の範囲
原蚕全齢人工飼料育研究者及び蚕種製造業者
- 普及指導上の留意点
原蚕全齢人工飼料育により得られた蚕種でも母蛾検査は省略できない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
コスト
品種
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