タイトル |
輪換田におけるイネミズゾウムシの発生動向および要防除水準 |
担当機関 |
青森県農業試験場環境部 |
研究期間 |
1988~1990 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1990 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- 輪換田におけるイネミズゾウムシの発生動向
集団で計画的に田畑輪換を実施している地域で水田復元後の年数とイネミズゾウムシ発生 程度について調査した結果、田畑輪換による明らかな密度の低下は見られなかった。
- 水稲の生育相と被害
- 草丈・茎数
草丈には施肥あるいは成虫放飼の影響がほとんどみられなかった。茎数には成虫を 放飼すれば少なくなる傾向がみられたが、輪換田を想定した多肥条件では放飼区の 茎数が普肥の無放飼区を上回り、成虫放飼よりも増肥の影響が大きかったものと 考えられた。 (表1、 表2)
- 成熟期の生育状況及び玄米の粒厚
成熟期の生育(稈長、穂長、穂数)をみると、多肥条件では各区とも稈長、穂長が 普肥条件無放飼と同程度であるが、穂数は多かった。したがって、多肥では増肥により 成虫放飼の影響が打ち消されるものと考えられた。玄米の粒厚は、普肥では株当たり 成虫数が多いほど薄くなる傾向が見られた。これに対し、多肥では各区ともやや 薄くなる傾向がみられたが、成虫放飼の影響はみられなかった。 (表1、 表2)
- 食害度と減収率
昭和59年~平成2年までのデータを込みにした食害度と減収率との間には有意な正の 相関とY=0.13X-1.80の関係式が得られた。しかし、多肥条件下では食害度の割に 減収率は低かったので、前述の関係式からはずれた。したがって、生育相が異なれば 被害程度も異なり、生育が旺盛な輪換田での要防除水準は、連作田の基準より高い ところにあるものと判断された。 (図1)
- 技術・情報の適用効果
- 輪換田におけるイネミズゾウムシ越冬成虫の発生動向は、連作田と同様である。
- 輪換田では、水稲の生育が旺盛なためにイネミズゾウムシの被害が打ち消される
傾向があるので、連作田で得られた要防除水準が適用できない。
- 適用の範囲
県内全域の輪換田
- 普及指導上の留意点
試験実施年次の水稲生育期間は高温であったので、低温条件下でのイネミズゾウムシが 生育あるいは登熟に与える影響については、さらに検討が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
水田
施肥
防除
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