タイトル |
水稲の無代かき整地移植作業法の効果 |
担当機関 |
秋田県農業試験場 |
研究期間 |
1988~1990 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1990 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- 省力と生産コストの低下を図るために技術開発した、水稲の無代かき整地移植作業は、
排水不良田の生産安定と田畑輪換にも有効な技術であり、水田輪作のメリットも 大きいことを認めた。
- 無代かき移植栽培作業(当場の例)
耕うん整地(トラクタ・二軸ロータリ) 灌水・落水(耕うん整地当目または翌日全面冠灌水・自然落水) 灌水(田植前全面すじ状にはしり水程度) 田植(やや深植田植機・同時施肥) 除草剤散布(田植後3~5日ソルネット) 除草剤散布(田植後約3週間クリミードSM) 中干・ヒエ抜き (6月下~7月中旬) 穂肥(減分期) 収穫(汎用コンバイン)
- 無代かき方式の水稲活着及び初期生育は順調で、過剰生育が抑えられ有効茎歩合が
高く、特に生育後半の根の活力維持にすぐれ、生育の凋落傾向は見られない。 出穂が2~4日早まり、健全な生育パターンで多収傾向を示した。 (図-1、 表-1)。
- 無代かき方式の施肥法は、透水過多のため肥料が流亡しやすく、肥効が長続きしない
ので肥料の種類や量の選択を適正に組み入れた側条施肥法、二段施肥法が効果的である。 除草は、田植3~5日後初期除草剤プラス田植後3~4週間の中期除草剤の現行体系で 対応できる。
- 前年水稲無代かき方式の水田転換畑では、耕うん砕土性にすぐれる
(表-2)。 また、土壌が膨軟になり、透水性が向上し、圃場表面排水が良好となる (図-2)。
- 技術・情報の適用効果
- 当技術の適用により排水不良田の透水性が改善され、水稲の生育が健全で
安定し、増収傾向となる。
- 水田転換畑の砕土率向上など、土壌改良効果が大きく、畑作導入が容易となる。
- 水田、畑の交互利用がしやすく、連作障害回避にも有効な手段と見られ、水田の
輪作体系の土壌管理法として有効と考えられる。
- 適用の範囲
県内一円の排水不良田
- 普及指導上の留意点
- 透水がやや過剰気味となるので、やや排水不良~排水不良のところに適応し、
漏水田もしくは漏水が懸念されるところでは実施しない。
- 水不足地帯及び灌水に不利なところでは、干害を受けやすい。
- 転換畑では条件によっては3~5m間隔の弾丸暗渠による排水対策を考慮する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
病害虫
くり
コスト
除草
除草剤
水田
水稲
施肥
土壌改良
ひえ
輪作
輪作体系
連作障害
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