成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
県内に汎用型コンバインの導入が5事例見られ、水田転作に伴う麦及び大豆の収穫作業に 利用さている。 そこで汎用型コンバインを導入している集団の利用実態並びに小麦、水稲、及び大豆収穫作業の 精度・性能調査結果から、汎用型コンバインの効率的な利用方法を明らかにした。
- 汎用型コンバインは、麦、水稲、大豆の刈取り及び大豆の脱穀作業に適応性が高く、能率も高い。
- 各作物の1日当たり作業量は、圃場作業量と作業時間と作業率から設定した。
- 収穫作業期間は、県内の各作物の作期から、麦類は、6月下旬~7月上旬の15日間、水稲は、
9月下旬~10月上旬の20日間、大豆は10月下旬~11月上旬の20日間、大豆の脱粒は11月中旬~ 下旬の15日間、と設定した。
- 収穫作業の稼働率(作業可能日数割合)は、麦類は60%、水稲は70%、大豆は60%、大豆の
脱粒は70%とした。
- 以上のことから汎用型コンバイン1台当たり稼動面積(収穫作業が可能な面積)は、麦、水稲、大豆
の刈取りが夫々22ha、18ha、16ha、大豆脱粒14haと設定できる。
- このことから、各作物の汎用型コンバイン利用による収穫作業の10a当たり作業原価を
算出し、コスト低減の可能性を試算した。
- 大豆では刈取り作業の労働ピークを解消し、大規模栽培や広域受託を可能にした。
- 汎用利用することによって作業コストは低減されるので水稲についても積極的に利用し、
乾燥調整は処理能力の高い広域処理施設に連携する必要がある。
- 能率の高い機械であるが、稼動面積は利用体制により大きく影響される。特に、1日当たりの
処理面積を拡大するためにも、一定の面積規模に従って割引料金を設定するなどの工夫が必要である。
表1 コンバイン稼動計画 表2 コンバイン経費 表3 刈取等原価 - 技術・情報の適用効果
集団土地利用と併せ、土地利用型作物の大規模経済的栽培が可能になり、中核農家の 規模拡大に活用できる。
- 適用の範囲
小麦及び大豆により水田の高度利用を図る地域
- 普及指導上の留意点
- 広域的な利用体系をとる必要がある。
- 対象作物により対象地域の範囲や農家が変わるので作業受託やリースを含め臨機応変に
使用することが望まれる。
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