タイトル |
幼穂形成期深水管理による不稔防止 |
担当機関 |
岩手県立農業試験場 |
研究期間 |
1989~1991 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1991 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- 幼穂形成期の水管理については、北海道農業試験場では、その成果を
「イネ穂孕期耐冷性の前歴水温による変動」としてとりまとめている。
- 本県では、こうした成果をうけながら、場内圃場で試験したところ幼穂形成期以降、
深水に管理することにより減数分裂期の低温による障害不稔の軽減効果が実証された。
- 91年は、7月中旬の低温日照不足によって障害不稔が発生したが、源流水温の低い
場内圃場では、10cmよりも5cm区で不稔の発生が少なかった。10cm区は夜間の保温効果 は高いが最高水温が上がりにくく不稔防止の効果が劣った (表1、図1、 図2)。
- 以上から、この場合の幼穂形成期から減数分裂期にかけての水管理を以下のとおりとする。
- 技術・情報の適用効果
幼穂形成期前後の深水管理によって、低温年には障害不稔を軽減できる。
- 適用の範囲:東北地方障害不稔発生危険のある水田
- 普及指導上の留意点
- 幼穂形成期から減数分裂期までの水深を常時4~6cmとすることを基本とするが、高温が
長期間継続すると明らかに予想される場合は、間断灌漑等も組合せ根の活力を高めること が必要である。
- 深水管理を行うため、用水路、畦畔の高さの確保、畦畔漏水等の防止につとめるとともに
目標とする25度Cに近づけるため、源流水温が低いところでは、迂回水路やポリチューブ等 水温上昇技術を組み合わせて実施する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
水田
水管理
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