タイトル |
小径木等チップ資材の堆肥化 |
担当機関 |
山形県農業試験場 |
研究期間 |
1989~1991 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1991 |
成果の内容・特徴 |
農用地開発においては、畑地造成後の速やかな熟畑化が必要であり、 そのためには、安価で多量の有機物資材の施用が不可欠である。そ こで、農用地開発地区に賦存し、造成過程で生じる小径木等の有効 活用が期待され、チップの堆肥化技術を明らかにした。
- 技術・情報の内容及び特徴
- チップの腐熟過程を見るため4区(Ⅰ区:チップとモミガラ混層+尿素、Ⅱ区:チップ
+尿素、Ⅲ区:チップとモミガラ混層+尿素+家畜糞、Ⅳ区:チップ+家畜糞+尿)を 設置し、3年間腐熟過程を追跡した。 その結果、堆積3年を経過した時点での腐熟進度は、Ⅳ区≧Ⅲ区>>Ⅰ区≧Ⅱ区 の順であった。とくに、Ⅳ区、Ⅲ区は木質の原形をとどめるものは1/3程度に 減少し、材質がもろく、黒褐色化し泥状化していた。なお、小動物(ミミズ等) の繁殖も極めて多く、C/N比も20前後に低下し、通常の堆きゅう肥よりも養分含量 の高い良質な堆きゅう肥の生産を実証した。また、腐熟化にとって、家畜糞 (微生物の集合体であり、そのエネルギー源でもある)の施用効果を確認した。 一方、Ⅰ区、Ⅱ区は、3年経過しても木質の原形をとどめているが、水溶性 フェノールは消失し、有機成分等も低下し、腐熟程度は、バーク堆肥と同程度で 堆肥としての施用に問題ないと推定した(表1、 表2、表3)。
- チップ堆肥による作物(小松菜、白菜等)栽培試験の結果、発芽、生育、収量
とも堆肥と同等で問題はなかった。
- 技術・情報の適用効果
木質資材による堆肥生産の方策と堆肥化指標として活用
- 適用の範囲
畑地での施用が可能であるが、とくに、大規模農用地開発地域(山麓開発による 新規畑造成地)
- 普及指導上の留意点
小径木の経済的処理方法(チップ化)と開発地域諸団体の合意形成が必要
|
図表1 |
|
図表2 |
|
図表3 |
|
カテゴリ |
繁殖性改善
|