タイトル |
有機質肥料と堆肥併用によるハウス栽培キュウリの品質と食味 |
担当機関 |
福島県農業試験場 |
研究期間 |
1985~1991 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1991 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- 食味官能試験
化学肥料区に比べ有機質肥料区の風味、食感が優れ総合的にも評価が高かった。 また、有機質肥料区と有機質肥料+堆肥区については、風味食感、総合について 若干、有機質肥料区で勝った。このことから、有機質肥料の施肥により風味や 食感が高まることが明らかになった(表1)。
- 糖分
食味成分の一つである糖分は、化学肥料区に比べ有機質肥料や堆肥を施肥した 区で2~5%高まる傾向がみられた。しかし、食味官能試験の結果を裏付けるほ どの差は認められなかった(表2)。
- 収量
有機質+堆肥区が最も高く、次いで化学肥料+堆肥区であった。また、商品化率に ついては、区間差がみられなかった。以上、堆肥を併用した区の収量が高い傾向 が認められた(表3)。
- 土壌の化学性
pHは化学肥料区で低く、有機質肥料を施用した区で高い傾向が認められた。 CECは堆肥を併用した区が増大し、置換性の塩基含量についても堆肥の併用 した区が化学肥料区に比べ高い傾向が認められた。ただ塩基飽和度として は適性なレベルにとどまった(表4)。
- 土壌バイオマス炭素と窒素
土壌の微生物環境や作物への養分供給庫の指標として考えられている土壌バイオマス 炭素と窒素についてみると、バイオマス炭素は、有機質肥料+堆肥区で高く、化学肥料 単用区で低く、バイオマス窒素は、有機質肥料+堆肥区で高い傾向がみられた。 したがって、有機質肥料と堆肥の併用により土壌の微生物量や活性を高める効果が 期待できる(表5)。
- 技術・情報の適用効果
有機質肥料は肥料的効果があり、堆肥は土壌の物理性や微生物など土壌環境の 改善効果があるので、それぞれの特性を考慮した適性な肥培管理により、 キュウリ果実の食味や生産性向上が期待できる。
- 適用の範囲
県内ハウスの中粗粒灰色低地土の地域
- 普及指導上の留意点
- 土壌の種類により有機物施用の効果が異なることから、施用に当たっては
土壌診断などを活用し土壌に適合した有機物管理に心がけることが重要である。
- キュウリ以外の作物の場合は、その養分吸収特性を考慮した施肥管理が望ましい。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
土づくり
肥料
きゅうり
施肥
土壌環境
土壌診断
肥培管理
良食味
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