タイトル |
イネミズゾウムシの圃場内分布と省力省農薬防除法 |
担当機関 |
岩手県立農業試験場 |
研究期間 |
1990~1992 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1991 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- イネミズゾウムシの圃場内密度分布の推移
- 寒冷地水田における越冬後成虫の圃場侵入経過は、一般に畦畔際から侵入
が始まり、徐々に圃場内部に移動する(図1)。
- このため侵入盛期後も畦畔寄りの密度が高い傾向が続き、発生終期まで密度の
勾配が認められる(図1、-2.gif">2)。
- 幼虫密度にも同様の傾向が認められる(図2)。
- イネミズゾウムシの省力省農薬防除法
イネミズゾウムシの圃場侵入経過を考慮すると、以下の省力省農薬防除法が可能 である。
- 水面施用粒剤の畦際散布による防除
エトフェンプロックス粒剤、及びシクロプロトリン粒剤を畦際から数m~5m程度 の幅で、額縁状に散布する(図3a、b)。 この場合、薬剤処理量は規定量の2分の1程度まで節減可能である。
- 育苗箱施用剤の畦際処理による防除
水稲移植時にベンフラカルブ粒剤(5%)、あるいは殺成虫効果の高い育苗箱施用剤 を育苗箱に処理して、畦畔から10畦程度まで額縁状に移植する。それより内側部分 は育苗箱施用を省略できる(図3c)。 この場合、薬剤処理量は規定量の、1/4(30a規模圃場)~1/3(10a規模圃場)まで 節減可能である。
- 技術・情報の適用効果
イネミズゾウムシの圃場侵入経過を示すことにより、新しい防除技術の開発がすすむ。
- 適用の範囲
東北・北海道でイネミズゾウムシの水田侵入が主に畦畔からの歩行侵入による地域、 作型。
- 普及指導上の留意点
- イネミズゾウムシの飛翔侵入が多い地域では、この技術の適用性についてさらに検討
を要する。
- 水面施用による畦際半量散布では、圃場内部まで成虫の発生が認められる場合、防除
効果が低下する。
- 育苗箱施用の畦畔際処理は、多発圃場では圃場内部の防除効果が低下する。
- イネクビボソハムシに対する同時防除効果は、育苗箱畦際処理では圃場内部での
防除効果は期待できない。水面施用畦際散布については、発生密度、及び散布量に ついてさらに検討を要する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
病害虫
育苗
水田
農薬
防除
薬剤
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