タイトル |
集団的土地利用における転作団地策定支援システム |
担当機関 |
東北農業試験場 |
研究期間 |
1989~1993 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1991 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
転作団地策定支援システムはパソコンを利用して実行するが、その内容と特徴は次の通りである。
- システムの最大の特徴は、転作団地の決定に関する当事者の考え方の特徴を
図1の階層構造モデルに基づき、 AHP分析によって各意思決定要因の重要度を定量的に把握し、その考え方に 従った場合に最も望ましい転作団地を圃場一筆を単位として決定する点にある。 また、転作作物の連作による収量低下なども考慮できるように工夫されている。
- 望ましい転作団地を策定するためには、農家毎、圃場一筆毎に以下のような
データベースが必要であることを明らかにした。
- 農家個別データ・・・・水田所有面積
- 圃場一筆データ・・・・所有者農家番号、圃場面積、水稲期待収量、
転作期待収量、転作経験年数、(用排水系)隣接圃場関係、所有者の利用希望
- このシステムは各地の事例から抽出した意思決定要因に基づき、普及性と
汎用性を考慮して開発されている。また、分析結果は全てカラーの圃場図で 表示されるため、普及所や農協でも十分に利用できる。
- 技術・情報の適用効果
このシステムを実行させることによって、個人個人の多様な価値観に応じた 望ましい転作団地の代替案を容易に策定することができるため、現場で 有効に活用することができる。例えば、図3は、 秋田県太田町A集落において転作目標面積800aとした平成4年の シミュレーション結果の一つである。これによると、負担率の平等化を 重視しすぎると、転作団地が複数の用排水路系にまたがったうえに、転作団地に 属さない圃場も出現することがわかる。その一方で、平成3年の実績 (図2)ではほとんどが4年以上の連作を 行っている(障害も出ている)が、それを回避して転作団地が策定されていることがわかる。
- 適用の範囲
水田地帯
- 普及指導上の留意点
本システムはNECのPC-9801シリーズのパソコンを用いて、プログラム言語は QuickBASICを利用する。計算処理時間は圃場数が多くなるほど長時間に 及ぶため、CPUは80386以上で、数値データプロセッサを装備したほうがよい。 また、圃場図の入力にはデジタイザーが必要である。 データベースを作成するには、正確な圃場図の作成とデータ毎の色塗りをした後、 所定の圃場データベース表に記入してからパソコン上に入力する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
カラー
水田
データベース
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