タイトル |
牛の血漿酢酸・ケトン体分析法の改良と栄養管理への応用 |
担当機関 |
東北農業試験場 |
研究期間 |
1987~1993 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1991 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- 血液の酢酸や3-ヒドロキシ酪酸(ケトン体の一種;3-HB)の分析は煩雑であった
が、血漿試料をソモギー(Somogy)法で除蛋白した後、食品分析キットを利用 して両成分を簡易に測定できることを明らかにした。
- 3-HBにおいては採血直後の分析が推奨されていたが、凍結(-20~-30度C)で
1カ月保存しても分析値に差のないことが判明した。
- 放牧地の肉用子牛(日本短角種)の血漿酢酸及び3-HB濃度は発育につれて
劇的に上昇した(表1)。血漿尿素濃度も発育 につれて上昇し、これらは採食量の増加や第一胃内発酵の増進を意味するもの といえる。
- 放牧繁殖牛の酢酸及び3-HB濃度は夏期にかけて低下したが、血漿尿素
濃度は夏期及び秋期にかけて上昇した(表2)。
- 泌乳牛(分娩後61~300日)の血漿酢酸及び3‐HB濃度は乾物やTDN摂取量、
とくに粗飼料からの摂取量と正の相関を示し、これら栄養摂取と血漿の 遊離脂肪酸(FFA)濃度は負の相関を示した。また、血漿の酢酸や3‐HB濃度が 高い場合には乳脂率及び乳蛋白率も高かった(表3)。
- 技術・情報の適用効果
乳牛・肉牛の栄養とくにエネルギー栄養の改善・指導に利用できる;
- 乳酸や3‐HB濃度によって子牛の採食能や第一胃機能の発達をモニターできる。
- 成牛における乾物やTDN摂取状態の指標としては、血漿のブドウ糖やFFAよりも
酢酸および3‐HB濃度が有効である。
- 成分的乳質低下の原因の解明に血漿の酢酸や3‐HB濃度を利用できる。
- 適用の範囲
東北全域の乳牛及び肉牛の栄養管理の指導・普及
- 普及指導上の留意点
- 除蛋白試薬(2種)の調製には厳密を要するが、試薬は長期間安定である。
- さらに尿素(牛乳尿素でも可)やFFAを測定するとエネルギーのみならず
蛋白栄養の改善にも有効である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
肉牛
乳牛
繁殖性改善
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