タイトル |
牛体寄生性アブ類幼虫の省力的・大量飼育法 |
担当機関 |
東北農業試験場 |
研究期間 |
1990~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1991 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- 放牧家畜への重要害虫であるアブ類は、以下の点において大量飼育が難しく、
基本的な生態解明研究のネックとなっていた。そこで、我が国における主要害虫 であるニッポンシロフアブを材料に省力的・大量飼育法を採った。
- 幼虫期間が1~3年と長い
- 捕食性であり群飼育ができない
- 常に活き餌を必要とする
- 餌の腐敗に弱い
- 装置は図のごとく、高さ90cm、幅70cm、奥行き30cmのパイプ製で、上部に
給水、下部に排水部があり、内部に6段の棚が設けられそれぞれに2段3列計36個 の飼育容器が収納できる。これを1ユニットとし、ファイトトロン等による個々の飼育 環境下に設置できる。 飼育は、ピートモスを敷いた各飼育容器に孵化幼虫1匹ずつを入れ、必要に応じ イトメ(Plesopora、Tubificidae)を給餌する。これらに給水部から毎秒数滴の水を 連続供給することにより、アブ幼虫とイトメの生存、および飼容器内の腐敗防止 がなされる。飼育容器は透明のため外部から必要に応じ観察でき、1~3年後、ピート モス内で行なわれる蛹化も観察できる。 なお、本装置によりシロフアブ、アカウシアブ、ニセアカウシアブでも同様に飼育することが できた(図1、図2)。
- 技術・情報の適用効果
自然飼育室と環境制御飼育室(17度C恒温、16L:8D)に設置した本装置 から、翌年、前者では7~8月、後者では3~4月にニッポンシロフアブ成虫が羽化 してきた。このことはアブ類の発生時期が環境によって支配されていることを示して おり、生息環境とアブ類の発育生態との関わりを研究する上で本装置が有効 であると考えられる。
- 適用の範囲
国内全域
- 普及指導上の留意点
アブ類幼虫の生存期間は1~3年と長く、飼育期間中における不断の給餌 および給水に注意が肝要である。 本装置は、捕食性であるアブ類幼虫(Tabanus属等)に対して有効 であるが、メクラアブを代表とする植食性のアブ類幼虫(Chrysops属)に 対しては利用できない。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
害虫
環境制御
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