タイトル |
オウトウの新品種「紅さやか」「紅秀峰」 |
担当機関 |
山形県立園芸試験場 |
研究期間 |
1978~1991 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1991 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
ア 紅さやか
- 品種の来歴:昭和54年に「佐藤錦」 x 「セネカ」の交配実生で、平成3年11月に
種苗登録された。
- 品種の特性:樹勢は強く、樹姿はやや立ちぎみである。枝条の発生、花芽の着生
は多く豊産性である。収穫時期は6月上旬で「セネカ」に比べ1~2日遅いが極早 生品種である。果実の形は短心臓形で、大きさは6g前後と早生としては大玉である。 果皮の色は帯朱紅色であるが、収穫後期には紫黒色になる。果肉の色は鮮やかな 淡赤色である。糖度は14~19%、酸度はpHで3.7~3.8で佐藤錦並みであり果汁が 多く食味の良好な品種である。
イ 紅秀峰
- 品種の来歴:昭和54年に「佐藤錦」 x 「天香錦」の交配実生で、平成3年11月に品種
登録された。
- 品種の特性:樹勢はやや強く、樹姿はやや立ちぎみである。花芽の着生は多く結実
が極めて良好で豊産性である。開花は早く「佐藤錦」より2~6日早い収穫時期は 樹上での日保ちもよいことから6月下旬から7月上旬と長い(表1、表2)。 果形は縦径より横径が長い扁円である。果実の大きさは8~9gと大玉である。 果皮色は「佐藤錦」と同じ帯赤黄斑色で赤色が鮮やかである。果肉色は クリーム色で肉質は硬くち密である。糖度は18~21%と高く、酸度はpHで3.7~4.0 と甘酸適和で食味良好な品種である(表3)。
- 技術・情報の適用効果
佐藤錦を中心とする生産、販売から極早生の「紅さやか」中晩生の「紅秀峰」の 導入は収穫時期の分散、販路の拡大が期待される。
- 適用の範囲
県内のオウトウ産地
- 普及指導上の留意点
「紅さやか」は収穫が早いと味が淡白になること、遅れると果肉が軟化し、また、 果皮色は紫黒色になるので適期に収穫することが大切である。 「紅秀峰」は収穫期が7月上旬までとなるため、病害虫の防除を徹底すること が大切である。 両品種とも実割れ防止のため雨除けテントが必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
おうとう
害虫
くり
新品種
品種
防除
良食味
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