タイトル |
Beauveria vassiana 菌接種キイロコキクイムシの放虫林における胞子の分散と蚕への影響 |
担当機関 |
岩手県蚕業試験場 |
研究期間 |
1989~1991 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1991 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- 松くい虫(マツノマダラカミキリ)の防除法として、天敵糸状菌(Beauveria
bassiana)を接種したキイロコキクイムシ放虫による生物的防除法が 開発されつつある。この菌は蚕の黄きょう病菌であり、養蚕への影響が 懸念されることから、キイロコキクイムシ放虫林における糸状菌の分散と桑葉汚染の 実体について、蚕を供試し、生物検定により検討した。
- 本菌胞子を接種したキイロコキクイムシ放虫による胞子の飛散範囲は、
放虫規模によって異なるが、放虫点の極く近接した小範囲に限定され、放虫点の付近に 桑園がなければ、養蚕への直接的な影響は少ない。
図1 B.bassiana菌付着キイロコキクイムシ放虫地点の 桑葉を給与した蚕の罹病状況 - 技術・情報の適用効果
- 本菌を利用した松くい虫の新防除法の実用化にあたって、養蚕地帯での使用規制を
行政施策に反映させる。
- 養蚕関係者に周知させ、自衛手段(蚕体蚕座消毒等)をとらせることができる。
- 適用の範囲
県下全域
- 普及指導上の留意点
- 多犯性の本菌が、ハゴロモ類など多種類の昆虫に感染伝播して、地域の菌密度を
高めることによる養蚕への影響については、さらに調査研究が必要である。
- キイロコキクイムシの放虫規模によって菌の飛散範囲・菌濃度が異なるものと
予想される。また、風向や風速等気象条件にも飛散は影響されると考えられ、 本技術の実用化には、なお検討の余地がある。
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カテゴリ |
病害虫
カイコ
桑
生物的防除
防除
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