タイトル |
大豆種子の吸水・乾燥による裂皮性簡易検定法 |
担当機関 |
東北農業試験場 |
研究期間 |
1989~1991 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1991 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- 大豆種子を吸水、乾燥させることで圃場で観察される大豆の裂皮粒と同様の症状を
発生させ、裂皮性が簡易に検定できる手法を開発した。なお、今後、吸水させた 大豆種子に発生する裂皮を吸水裂皮、これによる裂皮性検定を吸水裂皮検定法と呼ぶ。
- 大豆種子が吸水して重量比で220%になるまでの時間は浸漬温度が10~40度Cではほぼ
直線的に減少し、20度Cで約20時間、40度Cでは約5時間であった (図1)。吸水裂皮率は50度C前後で急激に減少し、 55度C以上では発生が認められなかった(図2)。
- 吸水した種子の乾燥条件は4品種を供試した結果、吸水裂皮の発生は「Peking」、
「エンレイ」、「タチユタカ」では温度より湿度の効果が大きく、同一湿度内では 温度上昇効果がほとんど認められない処理があった。また、吸水裂皮率が高い 「ミヤギシロメ」では処理時間の差異が他の3品種に比べ小さく、「エンレイ」と 「タチユタカ」の差は20度Cでは高湿度程小さくなった (表1)。30度C、70%の条件の乾燥では極小粒品種 「コスズ」では早い時期から吸水裂皮が発生し、品種間差があったが、吸水裂皮の 発生はほぼ処理後8時間以内であった(図3)。
以上の結果、大豆の裂皮性を吸水裂皮検定法で検定する場合、浸漬時間を40度Cで 約5時間とし、乾燥には恒温恒湿器を用い、乾燥条件は温度30度C、湿度60~70%で 8時間以上とする。また、恒温恒湿器を使用しないで室温(20~30度C)で検定する 場合には20度Cで一昼夜(約20時間)浸漬し、乾燥条件は温度より湿度の影響が大きい ため、同一の気象条件下(晴れた日の日中で湿度が60%前後)での検定も可能である。
- 技術・情報の適用効果
- 裂皮の発生は環境条件で大きく変動し、また圃場での従来の検定方法では1年に1度しか
検定できなかった。本法では、室内試験として簡易に裂皮性検定が可能となった。
- 吸水裂皮検定法では1処理は100粒前後あるため、多数の材料を検定することが
可能である。なお、検定後の種子には発芽能力があることが確認されている。
- 適用の範囲
高品質大豆育種における難裂皮性遺伝子源探索と選抜における裂皮性検定に 適応できる。
- 普及指導上の留意点
- 試験材料の調整で粒大の差が大きい品種を比較する場合、脱穀機による子実に対する
衝撃が異なるので、回転数に留意する(表2)。
- 吸水が速く、発根作用で臍部分に亀裂が生じ易い品種の場合、または小粒品種の
場合は浸漬時間を短くする。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
育種
簡易検定法
乾燥
大豆
品種
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