リンゴカラムナー性のDNAマーカー選抜法

タイトル リンゴカラムナー性のDNAマーカー選抜法
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所
研究期間 2005~2008
研究担当者 森谷茂樹
岩波 宏
古藤田信博
高橋佐栄
山本俊哉
阿部和幸
発行年度 2009
要約 SSRマーカーCH03d11をはじめとする4つのDNAマーカーはリンゴのカラムナー性に強く連鎖し、カラムナー性個体を選抜するマーカーとして利用できる。
キーワード リンゴ、カラムナー性、マーカー選抜育種、連鎖地図
背景・ねらい リンゴのカラムナー性は、側枝が伸びずに短果枝を着生し、円筒形に近い樹形を示す。このため、カラムナー性は果実生産の省力・軽労化を図れる樹形として注目されているが、優れた果実品質をもった品種はいまだに育成されていない。そのため、果実品質の優良なカラムナー性品種を早急に開発することが求められている。カラムナー性は通常型の樹形に対して優性で、1遺伝子(Co)によって決定されることが分かっている。そこで、カラムナー性リンゴの育種を効率的かつ迅速に進展させることを目的として、カラムナー性のリンゴ品種・系統由来の交雑実生集団の連鎖解析を行い、カラムナー性に連鎖するDNAマーカーを取得する。
成果の内容・特徴
  1. 「ふじ」8H-9-45、「ふじ」5-12786、「ふじ」「Tuscan」の3組合せ、187個体の連鎖解析から、4つのDNAマーカーがカラムナー性と強く連鎖する(図1)。このうちの2つCH03d11、Hi01a03はSSRマーカー、残りの2つSCAR682、SCAR216はSCARマーカーである。
  2. わが国の育成品種、およびその祖先にあたる品種、カラムナー性リンゴ選抜系統におけるCH03d11の遺伝子型調査から、177bpの増幅バンドを持つ個体を選抜することで、カラムナー性の個体を選抜できる(図2)。ただし、「旭」の一部の後代品種を交雑親に用いる場合は、この方法をそのまま適用することはできない。
成果の活用面・留意点
  1. CH03d11、Hi01a03はSSRマーカーであり、アガロースゲルを用いた検出では長さの差がわずかな増幅バンドを誤って判定する可能性があるので、遺伝子型の解析および判定にあたってはDNAシーケンサーを用いるのが望ましい。
  2. SCAR682、SCAR216は優性マーカーであり、アガロースゲルを用いた電気泳動によって検出し、増幅バンドの有無で遺伝子型を判定する。
  3. 「旭」の後代である「きたかみ」や「シナノレッド」はCH03d11の177bpを保有している。このため、これらの品種とカラムナー性品種を交雑する場合、177bpのバンドを持つ個体を選抜すると通常型の個体も選抜される。このような場合は、CH03d11で増幅する全ての対立遺伝子を交雑組合せごとに確認し、カラムナー性品種に由来する177bpを持つ個体を選抜をする。
図表1 233796-1.png
図表2 233796-2.png
カテゴリ 育種 軽労化 DNAマーカー 品種 りんご

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