サイレージ用トウモロコシの一代雑種新親自殖系統「Na71」

タイトル サイレージ用トウモロコシの一代雑種新親自殖系統「Na71」
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究期間 1987~1996
研究担当者 佐藤 尚
井上康昭
門馬榮秀
濃沼圭一
加藤章夫
村木正則
伊東栄作
黄川田智洋
発行年度 2009
要約 サイレージ用トウモロコシの一代雑種親自殖系統「Na71」(エヌエイナナジュウイチ)は中生の晩のデント種で、組合せ能力に優れる。
キーワード トウモロコシ、親自殖系統、組合せ能力、飼料作物育種
背景・ねらい 温暖地および暖地でのトウモロコシF1品種は、多収性とごま葉枯病抵抗性の強化が求められている。そこで、フリント種親自殖系統と高い組合せ能力を発揮し、かつごま葉枯病抵抗性を兼ね備えたデント種親自殖系統を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 「Na71」はデント種自殖系統間の交配組合せ「Na7×Na23」を母材とし、病害抵抗性、耐倒伏性、雌穂特性などについての選抜と自殖により育成した自殖系統である。
  2. 早晩性は「中生の晩」に属する(表1)
  3. ごま葉枯病抵抗性は「強」、すす紋病抵抗性は「強」、紋枯病抵抗性は「中」、黒穂病抵抗性は「強」である(表2)。
  4. 採種量は並みで、本系統を種子親として用いる一代雑種は雌雄畦比3:1で、30kg/a程度の採種量が見込める。花粉の飛散程度は「やや良」である(表1)。
  5. 稈長は「やや長」、着雌穂高は「やや高」、稈径は「中」、草型は「セミアップライト型」である(表1)。雌穂は「円筒型」で、粒列数は平均14.1列、粒は「中~くさび型」である。
  6. 本系統を片親とする単交雑F1組合せの平均乾物収量は、同熟期の普及品種に近い水準にあり、組合せ能力は高い(表3)。本系統を種子親に用いて育成された単交雑F1系統「長交C980号」は、普及品種「KD777」よりやや早い熟期で、「KD777」と比較して乾物収量が高く、耐倒伏性およびごま葉枯病抵抗性は十分な水準にある(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. サイレージ用トウモロコシF1品種の親系統として利用できる。
  2. 本系統は着雌穂高がやや高めなので、耐倒伏性の点からF1系統の着雌穂高が高くなりすぎないよう、組合せ相手を選定する場合はその系統の着雌穂高も参考にすることが望ましい。
図表1 233864-1.jpg
図表2 233864-2.jpg
図表3 233864-3.jpg
図表4 233864-4.jpg
カテゴリ 育種 ごま 飼料作物 多収性 抵抗性 とうもろこし 病害抵抗性 品種

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