泌乳牛用TMR素材としての米焼酎粕濃縮液

タイトル 泌乳牛用TMR素材としての米焼酎粕濃縮液
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2006~2009
研究担当者 田中正仁
鈴木知之
神谷裕子
発行年度 2009
要約 米焼酎粕濃縮液は、泌乳牛用混合飼料に使用しても、乾物摂取量に変化はなく、乳牛の血液性状、泌乳量、主要乳成分に顕著な影響を与えず、輸入濃厚飼料の節減効果が期待できる。
キーワード 米焼酎粕濃縮液、完全混合飼料、泌乳牛
背景・ねらい 輸入濃厚飼料は価格変動が大きく、畜産経営の不安定化要因である。一方、食品加工残渣である米焼酎粕濃縮液は、国内で産出され、家畜の飼料としての有効成分を多く含んでいる。しかし、給与方法などが明確でなかったため、これまで飼料としての活用が進んでいなかった。そこで、米焼酎粕濃縮液の泌乳牛用飼料利用としての可能性を探るため、これを含むTMR(完全混合飼料)を泌乳牛に給与し、その影響を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 米焼酎粕濃縮液は、粗蛋白質含量が約54%で脱脂大豆粕とほぼ同程度であり、タンパク質飼料源として代替できることから、輸入濃厚飼料の節減効果が期待できる(表1)。
  2. 米焼酎粕濃縮液を乾物構成で20%含むTMR(米焼酎粕区)を泌乳牛に給与した場合、単位体重(kg)あたりの乾物摂取量は32g/日以上で、脱脂大豆粕を乾物構成で20%含む対照TMR(対照区)と差はない(表2)。
  3. 泌乳牛の各血中成分は、米焼酎粕区で血中尿素態窒素濃度(BUN)の低下が見られたものの正常範囲であり、その他の成分に差は見られない(表3)。
  4. 泌乳量および各種乳成分値は対照区と比較して米焼酎粕区で乳中尿素態窒素濃度(MUN)の低下がみられたものの正常範囲であり、その他の成分および泌乳量に差はみられない(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 米焼酎粕濃縮液を泌乳牛用飼料として用いる場合の飼料設計の参考として活用できる。
  2. 米焼酎粕濃縮液は、同じ工場でも製品毎に製造工程が異なる場合や季節の影響により水分等の成分が変動する場合があるので留意する。
  3. 米焼酎粕濃縮液の粗蛋白質消化率は、大豆粕よりもひくいことを考慮する。
図表1 233927-1.png
図表2 233927-2.png
図表3 233927-3.png
図表4 233927-4.png
カテゴリ 加工 経営管理 飼料設計 大豆粕 乳牛

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