植物の耐凍性を向上させるRNAシャペロン遺伝子

タイトル 植物の耐凍性を向上させるRNAシャペロン遺伝子
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 2006~2009
研究担当者 今井亮三
金 明姫
佐々木健太郎
発行年度 2009
要約 シロイヌナズナの低温ショックドメインタンパク質AtCSP3はRNAシャペロンとして機能し、AtCSP3の過剰発現体は低温馴化前後の耐凍性がともに向上する。
キーワード 耐凍性、RNA、低温ショック
背景・ねらい 大腸菌などの細菌においては、低温にさらされると低温ショックタンパク質(CSP)が合成される。CSPは、低温下で形成されるRNAの2次(2本鎖)構造を解きほぐす活性をもち、RNAの機能発現を助けることからRNAシャペロンと呼ばれる。大腸菌の低温下での生育において、CSPは必須の機能を果たす。細菌CSPと同様な機能をもつタンパク質が、高等植物にも存在することは、既に明らかにされているが、植物CSPが低温耐性の獲得に働いているのかに関しては、これまで不明である。そこで本研究では、シロイヌナズナのAtCSP3を用いて、植物CSPの耐凍性獲得における機能を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. AtCSP3は、大腸菌のCSP欠損株の低温致死性を回復させることから(図1)、大腸菌CSPと同一機能タンパク質であり、RNAの2次構造を解きほぐすRNAシャペロンである。
  2. AtCSP3は常温下においては細胞分裂が盛んな根端及び茎頂に特異的に発現し、低温下ではその発現が亢進する(図2)。
  3. AtCSP3欠失変異株は、野生株に比べて低温馴化前後の耐凍性が共に低下する(図3)。
  4. AtCSP3の過剰発現体は低温馴化前後の耐凍性が共に向上する(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 他の植物においても、相同遺伝子を高発現させることで耐凍性が強化されることが期待される。
図表1 234034-1.png
図表2 234034-2.png
図表3 234034-3.png
図表4 234034-4.png
カテゴリ 耐寒性

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