「地産」水産物立証技術開発研究

タイトル 「地産」水産物立証技術開発研究
担当機関 静岡県水産技術研究所
研究期間 2006~2008
研究担当者 小泉鏡子
発行年度 2009
要約 トラフグの天然魚と養殖魚の判別手法を開発した。シラス干しでは、インドネシア産、台湾産、タイ産と静岡県産の判別が可能となった。中国産、韓国産のシラス干しとサクラエビについても外国産と静岡県産の判別の可能性を示すことができた。
背景・ねらい JAS法の改正により、生鮮品や一部の水産加工品で名称、原料原産地、養殖、解凍等の表示が義務付けられたが、表示の偽装問題が後を絶たない。そこで、偽装表示を未然に防ぎ、消費者の食に対する安心を得るために、静岡県特産水産物について天然・養殖の判別、原料原産地の判別技術を開発する。
成果の内容・特徴
1.トラフグ
天然魚、国産養殖魚、中国産養殖魚、計110尾のトラフグの全脂質脂肪酸組成の分析結果をもとに、2群線形判別分析を行い、判別的中率99.1%で天然魚と養殖魚を判別できる判別関数式を完成させた。
2.シラス干し
インドネシア産、中国産、韓国産、台湾産、タイ産と静岡県産について、mtDNAのシトクロームb領域の部分塩基配列を決定し、系統樹を作成した。さらに、中国産、韓国産、静岡県産について、炭素・窒素安定同位体比を分析した。その結果、静岡県産とインドネシア産、台湾産、タイ産はDNA分析により判別が可能であった。さらに、中国産、韓国産、静岡県産の炭素・窒素安定同位体比に有意差が認められたことから、DNA分析及び安定同位体比分析によるシラス干しの産地判別の可能性が示唆された。
3.サクラエビ
静岡県産と台湾産について、炭素・窒素安定同位体比を分析したところ、炭素・窒素安定同位体比に有意差が認められたことから、安定同位体比分析によるサクラエビの産地判別の可能性が示唆された。
成果の活用面・留意点
  1. 生産者、流通業者に対して本研究成果を情報発信することによって、表示に対する意識の向上をはかるとともに、広報誌や研究発表会などを活用して、消費者に対しても本研究成果を積極的に公表していき、静岡県産ブランド強化の一助とする。
  2. トラフグ筋肉中の脂肪酸組成は餌の影響を受けやすいため、餌をはじめとする飼育条件等の変化に応じて、今回得られた判別関数式を更新していく必要がある。
シラス干し、サクラエビについて、安定同位体比分析を原産地判別手法として確立するためには、ロット数、検体数を増やしてさらに検討する必要がある。
図表1 234256-1.png
図表2 234256-2.png
図表3 234256-3.png
図表4 234256-4.png
カテゴリ 加工

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