海上いかだ式貝類育成装置によるアサリ人工稚貝中間育成の量産化

タイトル 海上いかだ式貝類育成装置によるアサリ人工稚貝中間育成の量産化
担当機関 千葉県水産総合研究センター
研究期間 2007~2008
研究担当者 小林 豊
発行年度 2009
要約 2007~2008年に、千葉県富津市の港内で海上いかだ式貝類中間育成装置を用いて、殻長1~2mmのアサリ人工稚貝を1か月間で歩留まり40%以上を維持しつつ殻長4~5mmまで育成することに成功した。本方式は海中のプランクトンを餌料として利用するため餌料コストが低く、これによって大量かつ安価にアサリ稚貝を育成する可能性が示された。
背景・ねらい 千葉県では、長年にわたってアサリ人工種苗生産技術開発を実施している。技術開発は採卵から殻長1mmまでの室内飼育、1mmから5mmまでの稚貝中間育成、5mm以降の稚貝の干潟育成の3段階で構成されている。室内飼育に関する技術開発は概ね確立されているところであるが、次の段階の中間育成については、安価な餌料の大量確保が問題となっていた。そこで、天然の餌料プランクトンを活用して大量かつ安価に稚貝を育成するため、新たに開発した海上いかだ式貝類中間育成装置(60cm×60cmの飼育容器を10台収容)を用いて、2007~2008年の秋季に千葉県富津市沿岸の港内で、殻長1~2mmのアサリ人工稚貝の中間育成試験を実施した。
成果の内容・特徴
  1. 成長と歩留まり:殻長1~2mmの稚貝が約1か月間で、干潟育成可能な殻長4~5mmに成長することを確認した。稚貝の歩留は40%以上であり、1つの飼育容器で40万個以上の稚貝を生産可能であった。
  2. 水質:飼育期間中の水温は23~30℃、塩分濃度は30PSU前後で、DOは貝類の生育が悪化する2mg/L以下になることはなかった。また、クロロフィルa量は概ね5マイクロg/L前後だった。これらの値は東京湾沿岸の一般的な水質観測値の範囲であり、本装置は東京湾内の他の地先にも展開可能と思われた。
成果の活用面・留意点
  1. 波浪による稚貝の流失や施設の破損が考えられるので、港内などの静穏域を選定することが必要である。
  2. 飼育容器内に海水を導くためのポンプ電源の確保、あるいは発電機への定期的な給油が必要である。
  3. 他の地先で実施する場合には、あらかじめ稚貝が育成可能な水質・餌料環境であることを確認しておくことが望ましい。
図表1 234260-1.png
図表2 234260-2.png
カテゴリ コスト

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