紀伊水道周辺海域におけるマルアジの年齢・成長解明と資源解析の再検討

タイトル 紀伊水道周辺海域におけるマルアジの年齢・成長解明と資源解析の再検討
担当機関 和歌山県農林水産総合技術センター
研究期間 2003~2008
研究担当者 武田 保幸
土居内 龍
発行年度 2009
要約 紀伊水道周辺海域の重要資源であるマルアジについて、最新の耳石解析手法により年齢・成長を明らかにするとともに、資源量の推定を行った。その結果、マルアジは従来の知見に比べ成長が遅く、長寿であることが明らかになった。また、自然死亡係数など資源特性値が変わったことにより、従来の資源解析を再検討する必要性が出てきた。
背景・ねらい マルアジは、紀伊水道周辺海域において、まき網、一本釣、定置網等で漁獲される重要資源の一つである。和歌山県では、2000年代はじめから減少傾向が続いていたマルアジの資源管理を進めるべく資源生態の解明を行ってきた。年齢・成長の解明は、資源生態、資源解析の基本であり重要課題であった。
成果の内容・特徴
  1. マルアジ3,005個体について、耳石を焼き入れ後、切片標本を作製し、年齢査定を行った。その結果、最高齢は9歳であり、従来の知見に比べ成長が遅く長寿(寿命10歳)であることが明らかになった。
  2. 同様の手法で解析した東シナ海産マルアジと比較すると、かなり成長が遅く両群間で有意差がみられた。産卵生態,回遊生態とあわせて考えると、紀伊水道周辺海域に生息するマルアジは東シナ海系群とは資源生態が異なり、紀伊水道外域~播磨灘で生活史を完結する地方個体群(瀬戸内海東部系群)である可能性が高いことが推察された。
  3. 年齢査定結果からage-length keyを作成し、年別年齢別漁獲尾数とまき網のCPUEをもとにチューニングVPAによる資源解析を行った。その結果、従来5+歳まで年齢分解していた場合に比べかなり資源量が少なくなり、従来の手法では資源量を過大評価していたことが明らかになった。
成果の活用面・留意点 和歌山県では2004年以降、和歌山県中型まき網連合会によって自主的な資源管理(産卵親魚の獲り控えが行われており)、実際には推定より少なかった資源量を維持し回復させていくために、引き続き資源管理を続けていく必要がある。当水産試験場では資源と海洋のモニタリングを継続し、漁業者の資源管理をサポートしていかなければならない。
図表1 234262-1.png
図表2 234262-2.png
図表3 234262-3.png
カテゴリ モニタリング

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