低負荷型複合養殖システムの構築に向けたリッテルボヤの種苗量産化技術

タイトル 低負荷型複合養殖システムの構築に向けたリッテルボヤの種苗量産化技術
担当機関 宮崎県水産試験場
研究期間 2005~2008
研究担当者 佐島圭一郎
発行年度 2009
要約 天然のリッテルボヤ成体から自然産卵した卵を、採苗槽内でふ化させ、ふ化幼生をシュロ縄採苗器上に付着させる種苗生産技術を開発し、さらに、種苗量産化を行った。
背景・ねらい 魚類養殖と組み合わせた低負荷型複合養殖システムの構築を目的に、その一環として、環境浄化機能を持ち、食用としても用途のあるリッテルボヤの種苗生産技術開発を行う。
成果の内容・特徴
1.産卵とふ化率
天然のリッテルボヤの陸上水槽、流水飼育下での産卵が確認されたことから、卵を回収し産卵時期等を調べた。産卵は、概ね水温が20℃を下回る11月下旬頃から始まり翌年3月下旬まで続き、1産卵期あたりの産卵数は約27万個/個であった(表1)。1個体1日あたりの産卵数が1万個を超える産卵が見られたのは、概ね11月下旬から翌年1月下旬であった。止水下における卵のふ化率は、収容数30粒以下/mlで80%以上を示した(図1)。
2.採苗方法
採苗器にシュロ縄を用いて、図2に示す2つの方法で採苗を行った。初期に開発した予めパンライトでふ化させた幼生を採苗槽に収容し付着させる方法(図2の方法1)と、卵を採苗槽内でふ化、付着させる方法(図2の方法2)を比較したところ、使用卵数に対する付着種苗数はそれぞれ3.3%と3.6%で有意差はなく(Mann-WhitneyU-test)、後者が効率的と考えられた。
3.種苗量産
延岡市浦城湾内の筏に設置したコンテナで、上記卵を採苗槽内でふ化・付着させる方法をベースに、天然のリッテルボヤ100個体を用いて種苗量産を試みた(図3)。飼育水は、夾雑物を除くために25、5、1μmフィルターでろ過した。また、ふ化・採苗槽の水温はヒーターで16℃に加温した。約1ヶ月間の採苗後、採苗器上に0.6~5.3個体/cm2の付着種苗が見られ、約18.7万個の種苗を得た(表2)。
成果の活用面・留意点 開発された種苗生産技術は、非常に簡便かつ実用的で、現場での実施が容易であり、養殖レベルの種苗の供給が可能となった。
図表1 234267-1.png
図表2 234267-2.png
図表3 234267-3.png
図表4 234267-4.png
図表5 234267-5.png
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