タイトル |
能登半島東岸の定置網で漁獲されたブリ当歳魚の発生時期 |
担当機関 |
石川県水産総合センター |
研究期間 |
2005~2007 |
研究担当者 |
辻 俊宏
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発行年度 |
2009 |
要約 |
能登半島東岸の定置網で漁獲されたブリ当歳魚(地方名:コゾクラ、フクラギ)の尾叉長測定及び耳石日齢解析により、個体ごとにふ化日を推定した。その結果、発生時期は1~8月と長期に渡り、漁期の経過とともに新しく生まれた個体と徐々に置き換わっている様子が明らかとなった。
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背景・ねらい |
ブリは日本海の重要水産資源の一つである。主に東シナ海で発生した当歳魚は、能登半島周辺で7月から定置網等に入網して漁獲対象となる。より正確な漁況予測や資源量推定を行うためには、その発生時期を把握することが重要である。そこで、耳石日周輪を用いた日齢解析により、能登半島東岸の定置網で漁獲されたブリ当歳魚の発生時期を推定した。
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成果の内容・特徴 |
- 同一サンプル群(同一定置網の同一操業で漁獲された個体群)における各個体のふ化日は、1~2ヶ月間に渡った。
- 漁獲日ごとのふ化月組成を見ると、漁期の経過とともに、新しく生まれた個体と徐々に置き換わる様子が明らかとなった(図1)。
- 上記ふ化月組成を、採集時期ごとに県内の定置網による漁獲尾数で引き伸ばした結果、ブリ当歳魚の発生時期は、1~8月の長期に渡るが、3~4月が全体の8割弱(尾数ベース)と推定された(図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 未成魚および成魚の標識放流等の資源生態調査結果と合わせることにより、ブリの移動回遊がより一層明らかになる。
- 日本海に分布するブリの移動回遊、発生時期・場所および加入動向を明らかにすることで、漁況予測や資源量推定の精度向上が期待される。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
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