大型海藻の深層水養殖産業基盤開発

タイトル 大型海藻の深層水養殖産業基盤開発
担当機関 静岡県水産技術研究所
研究期間 2007~2008
研究担当者 野田浩之
二村和視
岡本一利
発行年度 2009
要約 駿河湾深層水を利用したサガラメの量産技術を開発し、得られた製品の評価と利活用方法を検討した。カジメをモデルに幼体での成熟誘導技術を開発した。さらに深層水養殖に適した海藻類の検討を行った。
背景・ねらい サガラメ等の海藻は有用な生理活性物質を含む健康食品として注目されている。今までの研究成果により、深層水を利用した培養基礎技術は確立したことから新規養殖産業の起業基盤の確立のためにサガラメ等の海藻の量産システムの開発を実施する。さらに深層水で培養した海藻の利活用方法について検討する。
成果の内容・特徴 深層水を用いたサガラメの浮遊培養により、1kL容の水槽で9.4kg(湿重量)を生産した(図1,2)。また培養密度と生長の関係を検討した結果、飼育密度の増加により生長率が減少する傾向がみられた。サガラメの硝酸態窒素吸収速度は培養海水中の硝酸態窒素および光量と共に増加し、水温は約14℃で最大となることが判明した。深層水で培養したサガラメの食材としての評価を、高級イタリアンレストランのシェフに依頼し高い評価を得た。また皮膚外用剤等に用いる研究を静岡県立大学薬学部と共同で実施した(特許出願)。カジメ幼体をモデルに成熟誘導技術を開発し特許出願した(図3)。これにより天然海域では1年以上を要する世代交代サイクルを7~8ヶ月に短縮することができた。東海大学海洋学部と共同で、食用であるアントクメ、フサイワヅタ、ヒジキを深層水中で培養した結果、いずれも良好な生長を示した(図4)。
成果の活用面・留意点 量産システム等を開発し、海洋深層水を利用したサガラメ養殖技術が確立した。駿河湾深層水ブランドによる静岡only oneの新規養殖産業の創造が期待される。成熟誘導技術により種苗生産の効率化が図れるほか、特定の形質を持った藻体からの採苗が可能となり、育種面での活用が期待される。コストと利益を考慮し企業化技術確立を目的とした新規研究課題へステップアップする。講演、広報、学会等での公表による成果のピーアールと普及を行う。
図表1 234318-1.png
図表2 234318-2.png
図表3 234318-3.png
図表4 234318-4.png
カテゴリ 育種 コスト

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる