タイトル |
梅酢投与マダイの抗病性 |
担当機関 |
和歌山県農林水産総合技術センター |
研究期間 |
2008~2008 |
研究担当者 |
堅田昌英
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発行年度 |
2009 |
要約 |
梅酢添加配合飼料で飼育したマダイ(梅マダイ)と通常配合飼料で飼育したマダイ(対照マダイ)に対して、エドワジエラ症およびイリドウイルス病に関する攻撃試験を実施した。両疾病ともに、梅マダイの累積死亡率は対照マダイよりも有意に低かった(p<0.01)。また、血中バイオディフェンス機能を検査した結果、梅マダイの白血球貪食率は対照マダイよりも有意に高かった(p<0.01)。
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背景・ねらい |
梅漬けの副産物として産出される梅酢の処理は重要な課題であり、有効利用法が求められている。現在、和歌山県では梅酢を飼料に添加して「うめどり」、「うめたまご」の生産が行われているが、ニワトリの免疫能力、産卵性および卵質が向上することが報告されている。養殖魚でも梅酢を添加した配合飼料で飼育すると健康状態が良好になることが示唆されている。そこで、梅酢添加配合飼料でマダイを飼育し、エドワジエラ症およびイリドウイルス病に関する攻撃試験を行うとともに、血液を採取してバイオディフェンス機能を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- エドワジエラ症に対する攻撃試験(同居感染実験)の結果、対照マダイの累積死亡率が100%に達したのに対し、梅マダイは9.1%であった(図1)。
- イリドウイルス病に対する攻撃試験(同居感染実験)の結果、対照マダイの累積死亡率が60%に達したのに対し、梅マダイは40%であった(図2)。
- 梅マダイおよび対照マダイの心臓から血液を採取し、改良ポンドサイドキットマニュアルに従ってバイオディフェンス機能を検査した。その結果、当歳魚および2歳魚ともに、梅マダイの白血球貪食率は対照マダイよりも有意に高かった(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
配合飼料に梅酢を添加して養殖マダイに投与することにより、水産用医薬品に頼ることなく、エドワジエラ症およびイリドウイルス病を予防することができる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
うめ
鶏
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