乾燥ナマコにおける煮熟条件と品質の関係

タイトル 乾燥ナマコにおける煮熟条件と品質の関係
担当機関 北海道立網走水産試験場
研究期間 2007~2009
研究担当者 成田正直
宮崎亜希子
飯田訓之
発行年度 2009
要約 乾燥ナマコの製造基準を策定するために、煮熟条件と製品品質との関係について検討した。煮熟温度、時間は製品の変形率、水戻し後の物性等に影響を与えた。この知見により乾燥ナマコの適切な煮熟条件を明らかにした。
背景・ねらい 北海道産乾燥ナマコは中国市場で高い評価を得ている。しかし、その製造方法は各加工場によって異なっており、標準化された製造基準は存在しない。本試験では、高品質の乾燥ナマコを生産するための製造基準確立を目的として、煮熟条件が製品品質に与える影響について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 煮熟条件と変形個体の発生では、乾燥工程中に矯正が難しい「扁平」が60~70℃煮熟の全区分で発生した。また、矯正が可能な「ねじれ」は100℃、60~90分及び60~70℃、30分煮熟で発生した(図1、2)。
  2. 製品の品質評価の上で重要視される乾燥後の疣(いぼ)立ちは、60~70℃、30分煮熟でやや不良と判断された(表1)。
  3. 8倍重量に水戻した体壁の突き刺し強度は、煮熟条件に関係し、100℃煮熟で低く、また煮熟時間の長い方が低い傾向にあった。60~70℃、30~60分煮熟では中心部に芯が認められ煮熟不足と判断された(図3)。なお、60~70℃、30分は大部分が8倍重量まで戻らなかったため図示せず。
  4. 水戻し後の形体は、100℃、60~90分煮熟では軟化が過度で、かつ疣も不明瞭であった。逆に60~70℃、30~60分煮熟では軟化が不十分と判断された(表3)。
  5. 乾燥後の形体及び水戻し後の形体、物性から煮熟条件を総合的に判断すると、100℃、30分煮熟、80~90℃、30~60分煮熟(真水、塩水)が、高品質な乾燥ナマコを製造するための適切な条件と考えられた(表3)。
成果の活用面・留意点 煮熟条件と製品品質に関する知見は、乾燥ナマコの製造基準に係る基礎データとして活用が可能である。
図表1 234327-1.png
図表2 234327-2.png
図表3 234327-3.png
図表4 234327-4.png
図表5 234327-5.png
図表6 234327-6.png
カテゴリ 加工 乾燥

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