マルチプレックスPCR法によるアユ細菌性疾病の同時検出技術の開発

タイトル マルチプレックスPCR法によるアユ細菌性疾病の同時検出技術の開発
担当機関 群馬県水産試験場
研究期間 2007~2008
研究担当者 鈴木究真
泉庄太郎
発行年度 2009
要約 冷水病、細菌性出血性腹水病およびビブリオ病は養殖場および天然河川のアユに大きな被害を与える疾病である。今回、マルチプレックスPCR法によるこれら3大疾病の同時診断技術を開発した。本法は高感度で特異性が高く、また省力・低コストな魚病診断が可能であった。
背景・ねらい アユ養殖現場での病気の診断は主にPCR法により行われている。しかしながら、アユ養殖に大きな被害を与える冷水病、細菌性出血性腹水病およびビブリオ病のPCR法は、個別にPCRを行う必要があるため、多くの労力と経費が必要である。そこで、複数の疾病の同時診断が可能なマルチプレックスPCR法(M-PCR法)により、省力・低コスト化を図るとともに、従来の方法よりも高感度で特異性の高い、新たなアユ疾病の同時診断技術の開発を行う。
成果の内容・特徴
  1. M-PCR法は複数のプライマーを混合してPCRを行う方法で、従来別々に行っていたPCRを1度に行うことが可能であることから省力・低コスト化につながる技術である。
  2. 本法では、標的遺伝子領域をジャイレースBサブユニット領域とし、各病原菌に特異的なプライマーを設計した(表1)。
  3. 最適なPCR 条件を検索した結果、本法は各病原菌を高感度で特異的に検出することが可能であった。(表2、図1、図2)。
  4. 本法はアユの病魚組織(鰓、腎臓、病変部)からの直接診断が可能であった。
  5. 本法は従来の方法に比べPCR検体数が大幅に低減し、魚病診断の迅速化と労力・経費の節減を図ることが可能となった。
成果の活用面・留意点 今回開発したM-PCR法では上記の3種の細菌性疾病の診断が可能であるが、今後は細菌性鰓病やカラムナリス病等の診断も本法に組み入れることにより魚病診断の一層の迅速化・省力化を目指す。
図表1 234331-1.png
図表2 234331-2.png
図表3 234331-3.png
図表4 234331-4.png
カテゴリ 省力化 診断技術 低コスト

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