タイトル | 遊漁を目的とした効果的なアマゴの成魚放流技術について |
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担当機関 | 岐阜県河川環境研究所 |
研究期間 | 2004~2006 |
研究担当者 |
徳原哲也 |
発行年度 | 2009 |
要約 | 費用対効果の高いアマゴの成魚放流を考えるため、放流から釣獲までの日数及びスモルトとパーの違いが釣獲率(100×釣獲尾数/放流尾数)に与える影響を調査した結果,スモルト、パーともに放流日と釣獲日との間隔が長いほど釣獲率が低くなる傾向があり釣獲日に放流するのが最も効果的であった。また、パー型アマゴはスモルト型アマゴに比べ釣獲率が高いか同程度であること等が明らかとなった。 |
背景・ねらい | 現在、成魚放流を行う漁協が多くある。成魚放流は稚魚放流と異なり、漁獲可能な魚を即時に増加させることが可能な反面、稚魚放流よりも生産・輸送等のコストが高いため、より効率的に使用する必要がある。 そこで現場において直ちに反映が可能な要因である放流から釣獲までの日数、スモルトとパーの違いが釣獲に及ぼす影響等明らかにすることにより、成魚放流技術の改善を図るものである。 |
成果の内容・特徴 | 2006および2007年の渓流釣りの解禁日(3月1日)の前後に調査期間を設定し、遊漁者への漁獲物調査を実施して放流日から解禁日までの長短およびスモルト・パーの差異と釣獲効率との関係を検証した。また、2007年にはスモルト・パーの放流地点における残留性について比較検討した。結果、成魚放流において馴致期間を設けるための事前放流は必要なく、放流地点からの逸失を考慮すればむしろ馴致期間を設定しない方が確実であること、放流後初日の釣獲率が高く漁期がほぼ1日に限定されることなどが明らかとなった。スモルトとパーの釣獲率は同等か、パーの方が高かった。しかし、釣獲当日に放流する場合はスモルトも放流量の過半数以上が釣獲されており、3月のアマゴ成魚放流は当日放流ならば、スモルトも釣獲対象として使用可能と考えられた(別表)。また、移動動態はスモルトとパーでは異なりパーの方が残留性が高いことが判明した。 |
成果の活用面・留意点 | 活用面:成魚放流は釣獲日当日に放流するのが最も堅実である。遊漁者の要望を充足させるためには、大量放流を一括して行うよりも、必要少量の分割放流を実施して、釣獲日当日放流を反復する方法が確実である。パーの方が残留性が高いものの、3月のアマゴ成魚放流は当日放流ならば、スモルトも釣獲対象として使用可能と考えられた。 留意点:当研究は渓流遊漁解禁時における早春の低水温時の調査結果であることに留意が必要。 |
図表1 | |
カテゴリ | コスト 輸送 |