大阪湾におけるAlexandriumシストの分布と現存量

タイトル 大阪湾におけるAlexandriumシストの分布と現存量
担当機関 大阪府環境農林水産総合研究所
研究期間 2006~2007
研究担当者 山本圭吾
発行年度 2009
要約 大阪湾で2006、2007年にAlexandrium tamarenseおよびA.catenellaシストの調査をおこなった。2006年は全域で確認されたが、密度は東部沿岸で高かった。2007年は春期の A.tamarense赤潮によりシストは急増していたが、前年同様東部沿岸で高密度であり、漁港内にも多かった。以上から、同海域を重点的に調査することで、効率的な対応が可能と考えられた。
背景・ねらい 大阪湾では2002年春期に東部海域の広い範囲でAlexandrium tamarenseが増殖し、同海域で初となる二枚貝の毒化が確認された。さらに、2006年、2007年にもA. tamarenseの増殖と二枚貝の毒化が確認され、2007年には赤潮状態にまで増殖し、多種多様な二枚貝で毒化が報告された。
渦鞭毛藻類には生活史の中に休眠期を持つものが多く、このような種類では増殖に不適な環境下ではシストを形成し、海底泥中で生息している。シストはseed populationとして遊泳細胞の供給源となっており、次年度以降の貝毒発生の可能性を推測する有用な指標であることから、シストの分布状況を把握することは重要である。
成果の内容・特徴
  • 2006年、2007年ともシストは湾東部沿岸域で高密度で観察された。また、2007年の調査では漁港内においても多く存在することが確認された(図1、2)。
  • シストは停滞性が高く、泥分率の高い海域で多く確認される傾向が見られた(図3)。
  • 遊泳細胞が多く確認された海域ではシスト密度も高い傾向が見られた(図4) 。
成果の活用面・留意点 本成果により麻痺性貝毒発生リスクは東部海域でより高いことが推察され、モニタリングに際してはこれらの海域を重点的に調査することで、効率的に麻痺性貝毒の発生に備えることが可能になると考えられる。
図表1 234336-1.png
図表2 234336-2.png
図表3 234336-3.png
図表4 234336-4.png
カテゴリ モニタリング

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