飼料用米と乳酸菌RO50株を用いた4-アミノ酪酸(GABA)高含量飼料原料

タイトル 飼料用米と乳酸菌RO50株を用いた4-アミノ酪酸(GABA)高含量飼料原料
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
研究期間 2006~2009
研究担当者 三枝貴代
蔡 義民
石川哲也
石田元彦
中西直人
樋口浩二
発行年度 2010
要約 飼料用米に乳酸菌(Lactococcus lactis)RO50株を加えて室温~40℃で半月~1ヶ月程度発酵させることによって、4-アミノ酪酸(GABA)を1.2g/kg程度含有する飼料原料が調製できる。
キーワード 4-アミノ酪酸(GABA)、乳酸菌(Lactococcus lactis)RO50株、飼料用米
背景・ねらい 飼料用米は水田転作に有効な作物であり、飼料自給率向上のためにも栽培面積を広げる必要がある。しかし輸入濃厚飼料より高価であり、安全性の他に付加価値をつける技術が開発されることが望ましい。
人工的な環境で高密度に飼育されている家畜は、野生動物より多くのストレスがかかるために病気になりやすい。また近年では、家畜の福祉に配慮した飼養法が求められている。そこで飼料用米を用い、哺乳動物へのストレス軽減効果がある物質4-アミノ酪酸(GABA)を多く含む飼料原料を開発する。
成果の内容・特徴
  1. コシヒカリ(玄米)を1.5mmメッシュ以下に粉砕、水分調製後、乳酸菌を加えて密封、室温~40℃で保管発酵させることによって、1.2g/kg程度のGABAを蓄積できる。健康食品として市販されている発芽玄米のGABA含量は0.15g/kgであり、それよりも多い。GABA蓄積量は半月~1ヶ月で最大となるが(図1)、2ヶ月程度保管しても大きくは低下しない。
  2. 乳酸菌は、(Lactococcus lactis) RO50株を用いる必要がある(図1)。添加量は粉砕玄米粉(水分率15%)1kgに対し、対数増殖期の培養液100μlである。
  3. 粉砕玄米は、水分率30%以上に調製することが必要である(図2)。
  4. 乳酸菌(Lactococcus lactis) RO50株を加えた粉砕玄米は1日でpHの最低値を示すが、GABA含量はその後も増大する(図3)。
  5. 大ヨークシャー種の離乳子豚各区3頭で、配合飼料の30%を本飼料原料あるいは飼料用米で置き換えた給与試験では、本飼料原料区でDGは113.0gであり、飼料用米を用いた対照区のDG81.8gと比べ差がなかった。
  6. 飼料用米、多用途米などの各品種で、室温、半月~1ヶ月保管で、0.7~1.7g/kgのGABAが蓄積した。
成果の活用面・留意点
  1. 本飼料原料は配合飼料中のトウモロコシと置き換えて使用する。
  2. 新品種の米を用いる際には、GABAが蓄積することを確認するのが望ましい。
  3. 水分率は、現場での取り扱いを考え、あまり高くしないことが望ましい。
  4. 40℃以上の条件でもGABAが蓄積する可能性があるが、乳酸菌が死滅するため高温での保管は望ましくない。
  5. 開封後GABA含量は減少しないが、腐敗を防ぐために1日以内に使用するか、乾燥もしくは凍結処理しなくてはならない。
図表1 234380-1.png
図表2 234380-2.png
図表3 234380-3.png
カテゴリ 乾燥 飼料用米 新品種 水田 とうもろこし 品種

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