白色レグホーン種の卵殻質改良に有効な遺伝子および遺伝子型

タイトル 白色レグホーン種の卵殻質改良に有効な遺伝子および遺伝子型
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2006~2010
研究担当者 高橋秀彰
佐々木修
韮澤圭二郎
古川 力
発行年度 2010
要約 卵殻質改良に有効な遺伝子としてオボカリキシン32遺伝子を見出した。同遺伝子の特定のハプロタイプには、卵殻質の改善と卵を大きくする効果がある。
キーワード ニワトリ、白色レグホーン、卵殻質、オボカリキシン32遺伝子、QTL
背景・ねらい 破卵は殻付き鶏卵としての商品価値をなくすため、養鶏業界では最も大きな経済的損失をもたらしている。破卵の発生を抑制するためには、卵殻質の遺伝的な改良が必要である。当該形質を担う遺伝子を特定し、形質に及ぼす遺伝子型の効果を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 畜草研は、卵用鶏の主流品種である白色レグホーン種の1つの系統を、非破壊変形を指標として強弱両方向に選抜した、強卵殻系統と弱卵殻系統を維持している。本成果は両系統を親世代とする、孫(F2)世代までの交雑家系を造成し、量的形質遺伝子座(QTL)解析を行った結果に基づくものである。
  2. 卵重、長径、短径、卵殻重のQTLは、9番染色体の遠位端に存在する(図1)。同領域には、卵殻のマトリックスタンパク質の一つであるオボカリキシン32(ovocalyxin-32)をコードする遺伝子が存在する。
  3. F2交雑家系のオボカリキシン32遺伝子には、3つのハプロタイプ(W=Weak; M= Mediative; S=Strong)が存在する(DDBJのアクセション番号は、W=AB520630; M= AB520631; S=AB520632)。
  4. F2個体において、Sハプロタイプは、Wハプロタイプと比較して、卵の大きさに関わる形質(卵重、短径、長径)と非破壊変形を改善する効果がある(表1)。また、Mハプロタイプは、WおよびSハプロタイプと比較して、非破壊変形を改善する効果がある(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 本成果は、白色レグホーン種には有効であると思われる。しかしながら、その他の品種・系統では、複数のハプロタイプの存在や卵殻質に対する効果は不明であり、個別の検討を要する。
図表1 234525-1.png
図表2 234525-2.png
カテゴリ 品種

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