超微細高密度オゾン水はCampylobacter jejuniに対して殺菌効果を示す

タイトル 超微細高密度オゾン水はCampylobacter jejuniに対して殺菌効果を示す
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所
研究期間 2006~2008
研究担当者 岩田剛敏
秋庭正人
神尾次彦
発行年度 2010
要約 近年、開発された超微細高密度オゾン水は、食中毒起因菌であるCampylobacterjejuniに対して強い殺菌効果を示す。本オゾン水は、養鶏場や食鳥処理場を汚染するC.jejuniを防除するための有効なツールとなる可能性がある。
キーワード カンピロバクター食中毒、鶏、超微細高密度オゾン水、Campylobacter jejuni
背景・ねらい わが国の代表的な食中毒起因菌であるCampylobacterjejuni(C.jejuni)は、養鶏場、食鳥処理場、および市販鶏肉といった、鶏肉の生産段階から消費段階までを広範に汚染している。しかし、汚染を防除するための有効な対策は確立されておらず、養鶏場、食鳥処理場での徹底した衛生管理がC.jejuniの蔓延を防止する重要な手段となる。本研究では、非常に微細なオゾン気泡を繰り返し水に注入した超微細高密度オゾン水(以下、オゾン水と略す)の、C.jejuniに対する殺菌効果を基礎的および養鶏場、食鳥処理場での応用を想定した実験により検討する。
成果の内容・特徴
  1. オゾン濃度4ppmのオゾン水を、菌液(108CFU/ml)に対して300倍量混合すると、オゾン水はC. jejuniに対して瞬時に殺菌効果を示す。また、オゾン水は採水後10分までは、採水直後と同等の殺菌効果を示す(図1)。
  2. 鶏糞中のC.jejuni(108CFU/ml)を殺菌するためには、鶏糞体積の3,000倍量のオゾン水が必要である(図2)。
  3. 鶏皮表面にC. jejuni104個を接種して作製した試験材料を、濃度10ppmのオゾン水により80ml/秒で洗浄した場合、90秒で菌を鶏皮から除去することができる(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. オゾン水は、一定の条件(水量比1:300以上、オゾン濃度4ppm以上)でC. jejuniに対して瞬時に作用し、一定時間持続する殺菌効果を示すことから、防除の有効なツールとなる可能性がある。
  2. 採水後1~2間のオゾン水では殺菌効果を認めなかったことから、野外応用の際には、消毒槽等に長時間貯めて使用、または少量を噴霧して使用するよりも、消毒する対象を直接洗い流すような使用法が適していると考えられる。
  3. 養鶏場や食鳥処理場の現場において、鶏糞便などの多量の有機物の存在環境下で十分な殺菌効果を発揮させるためには、オゾン水の使用条件・方法について更なる検討を重ねる必要がある。
図表1 234553-1.png
図表2 234553-2.png
図表3 234553-3.png
カテゴリ 病害虫 防除

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