TMRセンターの収穫委託コスト低減のための飼料作物立地配置モデル

タイトル TMRセンターの収穫委託コスト低減のための飼料作物立地配置モデル
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 2008~2010
研究担当者 久保田哲史
藤田直聡
発行年度 2010
要約 TMRセンターの牧草1番草、2番草、飼料用トウモロコシ生産を対象としたモデルである。圃場の分布状況や収穫期間、収穫作業の委託状況に応じて、収穫委託費用を最小化する牧草採草圃場と飼料用トウモロコシ栽培圃場の立地配置を求めることができる。
キーワード TMRセンター、収穫コスト低減、作物立地配置、線形計画法
背景・ねらい TMRセンターでは、飼料生産面積が大規模となるため、収穫作業を適期内に低コストで遂行することが課題となる。飼料生産圃場は数kmにわたる広い範囲に分布しており、飼料貯蔵拠点に近い圃場と遠い圃場では作業時間やそれに伴う収穫費用が異なる。そのため、各飼料作物の立地を調整することにより年間の収穫費用の低コスト化が可能になる。
そこで、収穫期間や委託費用に応じて収穫費用を最小化する牧草圃場と飼料用トウモロコシ圃場の立地配置を求めるシミュレーションモデルを構築する。構築したモデルを十勝地域のTMRセンターに適用し、現状の収穫期間と委託費用を前提とした場合、近年事例地域ではトウモロコシ収穫時期の降水確率が上昇しているため、トウモロコシ収穫期間を短縮化した場合、コスト削減のためにトラック運搬以外の委託作業を出役で行い委託費用を削減した場合の牧草とトウモロコシの立地配置を提示する。
成果の内容・特徴
  1. 図1に距離1kmの1筆5ha圃場におけるトウモロコシの収穫作業時間を示す。運搬トラック台数が少ないときはハーベスタに待ち時間が生じるために作業時間が長くなる。トラック台数が増えると収穫時間は減少するが、3台以上になるとトラックの待ち時間が増加するだけで収穫時間は短縮化されず、延べ作業時間が増加して委託費用は増加する。このような団地・飼料作物・作業体系ごとの費用に基いて、費用を最小化する圃場の組合せを選択することによって、費用最小となる飼料作物立地配置が提示される。
  2. 牧草を200ha、飼料用トウモロコシを100ha生産しているTMRセンターを事例にシミュレーションを行う。表1にシミュレーションの目的と条件を示す。現状の条件では、TMRセンターから近い圃場は牧草になり、トウモロコシは遠い圃場に立地する(表2)。トウモロコシが1km圃場に集中立地する場合と比較すると、委託費用は30万円程度低コストになる(図2)。
  3. トウモロコシの収穫期間を6日に短縮化すると、期間内に収穫作業を終わらせるために、トウモロコシの一部が作業時間の短くなる距離3km程度の圃場に立地する(表2)。他方、牧草の収穫時間が長期化するため、総委託費用は上昇する(図2)。
  4. ハーベスタ収穫と牧草詰め込み作業を出役で行うと、時間当たり委託費用が低減するため、全体的にトラック台数を減らして作業時間を延ばしても低コストとなる。少ないトラック台数で適期内に収穫作業を終わらせるために、トウモロコシはより近隣の3km圃場と5km圃場に立地し、7km圃場は牧草となる(表2)。配置不変の場合に比べて9万円程度低コストとなる(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 時間単位の料金による作業委託を利用しているTMRセンターにおいて活用できる。
  2. 圃場距離・委託料金・出役賃金・収量等は各TMRセンターの条件に変更可能である。
図表1 234661-1.png
図表2 234661-2.png
図表3 234661-3.png
図表4 234661-4.png
カテゴリ コスト 飼料作物 飼料用作物 低コスト とうもろこし

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